【詳報】尾身会長が会見 五輪「開催中止」盛り込まず 菅首相が開催表明で「意味なさず」

2021年6月18日 20時40分

記者会見する政府分科会の尾身茂会長

◆マラソン「観客集まりやすい」

 Q 提言が分科会ではなく有志で提言した理由は。
 釜萢敏 公益社団法人日本医師会常任理事 この議論については、いろんなメンバーと話をしてきた。合意を形成して早く国民のみなさんや組織委、政府に対して見解を申し上げるという段になって、どのような形を協議する中で、今回はこのような形になった。名前が出ていないが、議論の取りまとめに尽力したかたもいる。
 尾身氏 なぜ分科会でやらなかったか。政府は分科会には諮らないと再三再四発表していた。今回は、経済活動と感染対策の両立ではなく、感染拡大を防ぐということに集中してやった。
 オリンピック自身は私たちが決めることではない。オリンピックをやれば地域への影響がある。政府への対策に助言してきた者として、言うことがプロフェッショナルとしての責務だと思った。
 Q マラソンなどチケットがなくても観戦できる競技については。
 中澤よう子 全国衛生部長会会長 いろんな競技がある中で、観客数は、収容するという観点で意見をしている。チケットがなくても観戦できるところになると、考え方は違う。感染症のまん延の状況で、地域ごとの状況にあわせて、適切に判断する必要がある。そのときに提言書に書いてあることを参考にしながら地方自治体と組織委、政府と適切に状況にあわせて決めていくことや、市民にきちんと広報していく必要がある。
 脇田隆字  国立感染症研究所所長 屋外での競技になるマラソンは、観客が集まりやすい。すでに聖火リレーで人が集まってしまうことがあった。プレ大会の経験があるが、規模が違う。注目度も違う。どうしても人が集まりやすい。マラソンを札幌市で開催することについて、観客がどういう形で観戦をしてもらえるのか。強い規制をかけるのか。これから考えていく必要がある。
 Q これから先、提言を英訳してIOCに直接届けることはしないのか。提言の実現に向けてどう働き掛けるのか。
 尾身氏 英語訳は考えている。実現に向けて、私は、こういう場所で申し上げたいのは、去年からも専門家と政府の役割で、悩むところがあった。われわれの役割は提言で、実行・採択するかどうは政府。これを実現できるかどうか、われわれは実行するの力はない。役割ではない。
 私たちのこれからの役割は、2つある。1つは政府へのしっかりとアドバイザリーボードで評価し、政策を実行する。とくにオリンピックの文脈では、感染が拡大する可能性があるので、早く手を打つためのいろんなデータをしめしていくのが仕事。
 Q 昨年6月23日に会見し、専門家と政府の役割分担を明確にしたいと述べていた。この目標は実現したか。役割分担は明確だったか。
 脇田氏 ちょうど1年前、ここの記者クラブで会見し、今後の在り方の提言をした。実現したものも実現していないものもある。専門家会議が、アドバイザリーボードと政府の分科会になった。ただ役割分担が必ずしも明確でない場合もあった。ただ一年間、続ける中で徐々に改善はしてきている。アドバイザリーボードで分析し、政府にはしっかりと提言をしていきたい。
 尾身氏 総理の会見にお付き合いをしている。これについて、いろんな印象があるのも知っている。政府の分科会の会長として、総理の会見に「尾身さん出てこい」というときに、私の役割は政府の役割を弁護、反対、賛同することではない。専門家の意見を総理の会見の場でも言うことでやってきたつもりだ。
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