政府、五輪「無観客」受け入れず 21日に観客数上限を決定

2021年6月18日 22時13分
尾身茂氏(中央)らが出席してオンラインで行われた政府などに提出した東京五輪・パラリンピックの感染対策に関する提言についての記者会見

尾身茂氏(中央)らが出席してオンラインで行われた政府などに提出した東京五輪・パラリンピックの感染対策に関する提言についての記者会見

 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長ら専門家有志の提言は「無観客開催が望ましい」と示したが、政府は観客を入れて開催する構えだ。大会組織委員会の橋本聖子会長は18日の記者会見で、政府と東京都、国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)との五者協議を21日に行い、観客数上限を決めると明らかにした。
 菅義偉首相は17日の記者会見で、観客を入れて開催する意向を明言。尾身氏らが18日に提言を発表したのを受け、記者団は提言への対応を説明するよう求めたが、首相は応じなかった。
 加藤勝信官房長官は18日の会見で、提言について「一つ一つコメントは差し控えたい」と述べた。橋本氏は会見で、五者協議で観客数の上限を決定した後も、感染状況に応じて無観客開催も含めて柔軟に対応する考えを示した。
 とはいえ、政府は観客を入れる方針を固めつつある。提言は有観客の場合の感染対策として「現行より厳しい基準の採用」も求めたが、首相は17日の会見では、大規模イベントの観客の上限に関する政府方針に触れて「人数上限はこうしたルールに基づき決定される」と言及し、現行基準の採用をにじませている。
 首相がコロナ対応で専門家の意見を軽視してきたのは、五輪だけではない。3度目の緊急事態宣言を巡っても、首相は「最低3週間は必要」とした専門家の意見を聞き入れず、「短期集中」にこだわり、結果的に発令期間は長引いた。
 立憲民主党の安住淳国対委員長は18日、尾身氏らの提言について「人流を増やしたら大変な感染爆発を起こしかねないという警告を発している。政府に対する抗議とも受け取れる文書だから尊重すべきだ」と記者団に語った。(清水俊介、原田遼)

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