【独自】福島いのちの電話への相談10年…件数は減っても悩みは深刻化

2021年6月19日 14時00分
 福島県の社会福祉法人「福島いのちの電話」は、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から10年間に応じた相談状況をまとめた。10年前と比べ、相談の総数は減ったものの、内容は自殺や死をにおわせる割合が増えるなど深刻化。震災と原発事故の影響の根深さが浮かぶ。(片山夏子)
 福島いのちの電話によると、震災と原発事故関連の相談は2011~20年度に、17年から始めた震災専用のフリーダイヤル分を含め、計3451件に上る。

相談件数は減っても悩みは深刻化しているという。電話を受ける相談員=福島市で(福島いのちの電話提供)

 11年度には1068件の相談があったが、20年度は計106件だった。ただ、自殺傾向や死にたい気持ちをうかがわせる相談の割合は増加傾向で、11年度の7%から、20年度は15%になっている。
 同法人によると、震災後半年は、余震や放射能汚染、失業や今後の生活への不安が多かった。行政の支援の不備、放射線関係の専門家への不信を打ち明ける相談は、公的な支援体制が整うにつれて減った。
 一方で、家族が離ればなれになったことや避難先での人間関係を巡る相談が増え、孤独や喪失感の訴えが目立つようになった。
 長期間にわたる地元や家族と離れての孤立や、先行きの不透明さで、自殺につながる懸念が強くなっているという。

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