公明党”都議選無敗神話”どうなる…「過去最も厳しい」 コロナ禍で顔も売れず「交流」もできず

2021年6月19日 21時29分
 東京都議選(25日告示、7月4日投開票)を前に、都議選では1990年代から負け知らずの公明党に危機感が広がっている。コロナ禍の影響で、強固な支持基盤に支えられた組織活動に制約が出ているためだ。党関係者からは「過去、最も厳しい選挙」と楽観論は聞かれない。 (宮本隆康、小倉貞俊)

「本人」と書かれたタスキをかけ、駅前で支持を呼びかける候補予定者=東京都内で

◆新人はつらい

 「東京の子育て政策は公明がリードしてきました。ぜひご支援お願いします」。平日の午後7時半すぎ、大田区の京急大森町駅前。公明の新人、玉川英俊さん(52)がマイクを握り、支持を呼びかけた。
 今回、定数が1減となった大田区は、7議席を巡り15人が出馬を表明する激戦となった。ベテランが引退する公明は、新人が現有2議席の死守を誓う。
 演説する玉川さんの前で通勤帰りの人たちが、素通りしていった。「コロナで祭りや町会の会合がなく人が集まる場に顔を出せない。マスクで顔も覚えてもらえず、知名度不足の新人には厳しい」とこぼした。
 公明のもう1人の新人、勝亦聡さん(58)も「支持者の集会ができない」と戸惑っていた。陣営関係者は「新人同士で票が読めない。共倒れも起きかねない」。

◆7回連続で全勝続くが

 都議選は、公明にとって特別な意味を持つ。1964年の公明党結成は、前年の都議選で前身の公明政治連盟が躍進したのが契機となった。支持母体の創価学会は東京が発祥の地。都政では、国政よりも古い時代から与党としての立場をとってきた。山口那津男党代表は「都政改革の要として、新しい政策を生み出し、実現する役割がある」と強調する。
 都議選で落選者が出たのは1989年が最後。7回連続で「無敗神話」を守ってきた。ただ、最近は集票能力の陰りが言われる。2019年参院選全国比例票は、27年ぶりに700万票を切る653万票余にとどまった。支持者の高齢化、若年層の活動量の低下などは全国的な課題とされる。前回、選挙協力をした都民ファーストの会のある都議は「今、言われているほど票はないのでは」と話す。

◆”伝家の宝刀”抜けず

 コロナ禍が追い打ちをかける。公明には、大型連休ごろから全国各地の党支持者が東京に入る都議選対策の活動「交流」がある。親類や友人、知人に協力を依頼したりするが、ある支持者は「今年は半分以下もできていない」と焦りをにじませる。
 今回の都議選に公明は全員当選を目指して、新人6人を含む23人を擁立した。党都本部の関係者は「うちは本来、『風』に左右されない安定した勢力。だが、それもこれも選挙活動で支持層に直接、対面できてこそ。厳しい状況だ」と語った。

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