電子地域通貨「アクアコイン」普及策 木更津市、補助金に活用 本年度7団体に500万円支出予定

2021年6月20日 07時30分

電子地域通貨「アクアコイン」による補助金支給を始めた木更津市の朝日庁舎。すでに住民票発行の手数料などがアクアコインで支払い可能となっており、行政分野でのコイン普及を進めている=木更津市朝日で

 木更津市は、まちづくりに携わる団体に支出する補助金について、電子地域通貨「アクアコイン」(一コイン=一円)での受け取りを可能とする制度を導入した。従来通り現金で受け取ることもでき、受給者側が方式を選択する。アクアコイン普及策の一環で、全国初の試みとみられる。(山田雄一郎)
 市産業振興課によると、地方自治法の規定で自治体の支払いは電子通貨ではなく現金で行うことが基本とされる。このため受給者が希望するアクアコイン分の現金を、市がいったん地元の君津信用組合に振り込む形を採用。信組でコインにかえ、受給者にチャージしてもらうことにした。
 こうした仕組みを取っているため、制度を利用するには君津信組に口座を開設していることが条件。コインを現金にかえる場合は一定の手数料が発生する。現金受給を希望する場合は信組を通さず、市が直接、団体に支給する。
 この結果、補助金の受給方式は「現金のみ」「アクアコインのみ」「現金とアクアコインの組み合わせ」の三通りとなっている。
 同課によると、今回の制度は今年一月にスタート。木更津商工会議所と木更津市観光協会に、それぞれ三十万コインほどの補助金が支出された。地元の経済活動に波及効果が見られたことから、新年度の四月から取り組みを本格化させた。
 商工会議所、観光協会に加え、まちづくり協議会や市国際交流協会など七団体に計五百万円の補助金をアクアコインで支出することを予定している。
 市はこれまでも、住民票など各種証明の手数料納入をアクアコインで行えるようにしたり、希望する職員に給与の一部を自動チャージしてもらうなどして、行政分野でのコイン普及を推進。昨年四月からは全国のセブン銀行の現金自動預払機(ATM)でチャージが可能となっている。
 同課の担当者は「大切なのは地域で共感して使ってもらうこと。アクアコインがまちづくりの整備にもつながるということを、今後も市民にPRしたい」と語る。

◆公平性の担保が大切

<金融庁の話> 自治体がデジタル通貨を運用する場合、問われるのは利用者保護がきちんとできているかどうか。補助金をコインで受け取らないからといって、不利益を被ることがあってはならない。公平性を担保しながら施策を進めることが大切だ。
<アクアコイン> 木更津市・君津信用組合・木更津商工会議所が連携し、2018年10月に開始。スマートフォンの専用アプリをダウンロードした上で希望額をチャージし、加盟店のQRコードを読み取ることでキャッシュレス決済を行える。市によると、5月末の加盟店舗数は669、アプリのインストール件数は1万6367件で、利用総額は約5億9744万円。月額の利用総額は2000万円を超えるが、目標とする3000万円にはまだ届いていない。

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