リニアの静岡工区の着工見通せずに 4選確実の川勝氏はJR東海の代替策認めず <静岡県知事選>

2021年6月20日 23時15分
4選を確実にし花束を掲げ喜ぶ川勝平太氏=20日午後8時24分、静岡市葵区で(川戸賢一撮影)

4選を確実にし花束を掲げ喜ぶ川勝平太氏=20日午後8時24分、静岡市葵区で(川戸賢一撮影)

 任期満了に伴う静岡県知事選は20日投開票され、無所属現職川勝平太氏(72)が、4選を果たした。川勝さんの勝利を受け、リニア中央新幹線南アルプストンネル静岡工区の着工時期は、さらに見通せなくなった。川勝さんは、トンネル掘削で出る最大500万トンの湧水が山梨側に流出する問題で、最長20年かけて戻すというJR東海の代替策を認めていない。JRを指導する国土交通省の有識者会議が近くまとめる見通しの中間報告に、静岡県の訴えがどの程度反映されるかが注目される。
 有識者会議は4月、「県外流出しても下流の河川流量は維持される」との中間報告案を示し、JRの代替策の可否は判断していない。中間報告で県の意向が十分反映されなければ、県の専門家会議に差し戻され、中下流域の地下水に影響が出ないよう、JRに対策を求めていくことになる。
 有識者会議は中間報告に続き、南アルプスの生態系への影響に関する議論に入る。JRは大井川上流部の地下水が300メートル以上低下すると予測し、希少種の消滅が危惧されている。川勝さんは選挙中、生態系の維持を訴えており、JRが有効な回避策を示せない限り、決着は難しい。県職員の一人は「(川勝さんの在任期間の)4年間は静岡での着工はないだろう」と話す。
 JRは、当初目標だった2027年の品川―名古屋開業時期を見直す方針を示しているが、新たな目標は決まっていない。同社は20日夜「知事選についてのコメントは控える。引き続き、大井川流域の皆さまのご懸念を解消すべく、有識者会議に真摯に対応する今後、有識者会議の進捗を踏まえ、適切な段階で大井川流域の皆さまへお話しさせていただきたい」とのコメントを出した。

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