都議選前に相次ぐ「政治とカネ」問題…「最悪だ」 自民都連から漏れる国政への嘆き節

2021年6月23日 06時00分
 自民党を離党した菅原一秀前経済産業相の略式起訴など相次ぐ「政治とカネ」の問題を受け、東京都議選(25日告示、7月4日投開票)で第1会派への返り咲きを狙う自民党が、世論の風向きに神経をとがらせている。22日には財務省決裁文書改ざん問題で「赤木ファイル」が開示された。これまで何度も国政の影響を受けてきた都議選だけに、候補予定者らの心中は穏やかではない。(岡本太、西川正志)

◆候補者ポスター、急きょ張り替え

菅原一秀元経産相の立て看板と並んで張り出された都議選候補予定者のポスター=10日、東京都練馬区で

 「ポスターを差し替えられないか…」。6月上旬、自民候補予定者の陣営幹部は支援者からこんな電話を受け、表情を曇らせた。
 通算6期、地元練馬区を選挙区とする東京9区選出の衆院議員だった菅原前経産相と、候補予定者の顔を並べた2連ポスター。選挙区内の各所に張り出していた。
 菅原前経産相が東京地検特捜部に公選法違反(寄付の禁止)の罪で略式起訴されたのは6月8日。告示まで2週間余りに迫る中、陣営は急きょ、ポスターの張り替えを決めた。

◆国会議員ら逮捕、実刑…「厳しい戦いになる」

 自民を巡っては、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業を巡る汚職事件で、同じ都内選出の秋元司衆院議員が逮捕。元法相の河井克行前衆院議員が公選法違反の罪で起訴され、18日に懲役3年の実刑判決が言い渡されたばかり。都連の関係者は「最悪のタイミングだ。相当厳しい戦いになる」と話す。

◆前回選、森友・加計問題などが逆風に

 前回2017年も党自ら逆風を招いた苦い記憶がある。小池百合子知事率いる都民ファーストの会に、自民は議席を57から過去最低の23に減らす歴史的惨敗を喫したが、背景に森友・加計かけ問題や「共謀罪」法案の強行採決で高まっていた政権与党への批判があった。

都議選の自民党候補の応援に来た安倍晋三首相(当時)に対し抗議の声を上げる人たち=2017年7月1日、東京都千代田区で

 選挙戦中には稲田朋美防衛相(当時)が「防衛省、自衛隊としてもお願いしたい」と失言。安倍晋三首相(同)も最終日、東京・秋葉原での応援演説で「辞めろ」コールを繰り返す一団に「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と反論し、批判を浴びた。

◆候補予定者「そっとしておいてほしい」

 「何もしなくてもいいから、そっとしておいてほしい」。現職の候補予定者からはこんな本音も漏れる。新型コロナワクチン接種が軌道に乗り始め、風当たりが弱まりそうな気配も感じている。
 ただコロナの感染状況は下げ止まり、再拡大の懸念が拭えず、有観客を決めた東京五輪・パラリンピック開催による政権与党への反発の広がりも読めない。「赤木ファイル」の選挙戦への影響も不安材料だ。
 別の現職都議は「みんなコロナとの長い闘いで疲れている。ちょっとしたきっかけで一気に自民に批判が向きかねない」と警戒しながらこう気をもむ。「毎日発表される感染者数でも票が大きく動くことになる」

過去の東京都議選と国政の関係 1993年の都議選では、細川護熙氏によって結成されたばかりの日本新党が第3党に躍進。直後の衆院選では自民党が下野し、細川首相の連立政権が発足した。2009年の都議選では自民の麻生太郎内閣の支持率が低迷する中、民主党が大勝。直後の衆院選で民主党政権が誕生した。13年の都議選では、自民が圧勝。直後の参院選でも自民が勝利した。

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