歴史教科書 使用期間中に再採択 小田原市教委 来月、自由社焦点に

2021年6月23日 07時53分
 小田原市教育委員会は七月二十七日の定例会で、市立中学校で使う歴史教科書を選び直す。昨年八月に帝国書院の教科書を本年度から四年間使うことを決めており、使用期間中の再採択は初めて。昨年は対象外だった「新しい歴史教科書をつくる会」系の自由社の教科書を採択するかが焦点になる。教育長と四人の教育委員が選ぶ。採択された教科書は来年度から三年間、教材となる。
 自由社のホームページによると、同社の教科書は太平洋戦争について、アジアの解放をかかげた日本は敗れたが、アジアは植民地から解放され、独立を達成したなどと紹介。一方で、アジア各国や沖縄の人たちを苦しめた歴史は詳述していないといった批判も強い。文部科学省の検定で二〇一九年度は不合格だったが、修正して再申請し今年三月、合格した。
 市教委によると、五月の定例会で「新たに合格した教科書を検討せず判断するのは適当ではない」として、再採択を決めた。教科書が変わる可能性が出てくる生徒らへの影響を考え、再採択しない地域もあるが、横浜市など再採択する地域も少なくないという。
 各社の教科書は六月三十日までの平日、市内の県小田原合同庁舎で開かれる教科書展示会で閲覧できる。
 教科書使用期間中の再採択は、一五年の関連法施行規則の改正で可能になった。文科省は自由社の合格を受け、再採択を特例的に認める通知を全国へ出した。
 こうした動きを知ってもらおうと、市民有志と十九日に小田原駅前で街頭演説した会社役員小山田大和さん(41)は「大半の人が知らないまま再採択できる制度になった。教科書選定をすべて教育委員会に委ねていいのか。教科書展示会は親の立場から意見を伝えられる機会になる」と閲覧を呼び掛けている。(西岡聖雄)

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