<TOKYO2020→21>さいたま・川口 公道聖火リレー中止 ランナーら理解も落胆

2021年6月23日 08時04分

聖火リレーのスタート地点だった青木町公園。レプリカの聖火台前で出発式を予定していた=川口市で

 東京五輪聖火リレーまで二週間に迫った二十二日、県はまん延防止等重点措置適用中のさいたま、川口の両市では公道走行を行わないと明らかにした。記者会見した大野元裕知事は「人々が集まって密になることで(感染拡大の)リスクが高くなる」と説明。ランナーや自治体からは、仕方ないとしつつ、落胆の声が漏れた。(飯田樹与、前田朋子、近藤統義、大沢令)
 「残念、すごくがっかりです」。さいたま市の武蔵一宮氷川神社の参道を走る予定だった同市見沼区の丸山恵美子さん(53)は、時折涙ぐみながら話した。
 市内で農業を営む丸山さんは、百三十二万人都市でも農業が盛んなことを知ってほしいと応募。選ばれた直後にがんが見つかった。闘病中、白血病と闘った競泳・池江璃花子選手に元気をもらい、自分も走って病気の人を励ましたいと考えた。その矢先の中止に「言葉を失う。一生に一度のことなので本当に残念です」と声を落とした。
 川口市でランナーを務める予定だった鈴木昭重さん(86)も「ずっと準備してきたので残念」とこぼした。自転車を毎日五キロこぎ、ソフトボールの試合にも毎週出場して健康を維持。新型コロナのワクチンも打ち、本番を心待ちにしていた。
 父万之助さんと兄文吾さんは、一九六四年東京五輪の聖火台を制作した鋳物職人。「亡きおやじや兄貴と一緒に走りたい」との願いはかなわないが、「代わりのセレモニーなどがあれば参加したい」と話した。
 地元市長も受け止めを発表。清水勇人さいたま市長は「適切な判断だがランナーや市民を思うと心が痛む」とし、県が検討を表明したセレモニーなど代替措置に向け「連携し準備を進める」とした。奥ノ木信夫・川口市長は「やむを得ないが、前回東京大会の聖火台を制作したこの地で聖火リレーが行われないのは重ねて残念」とコメントした。
 県内の聖火リレーは川口市が皮切りだったが、第二区間の蕨市から始める。各日の最終地点で聖火の到着を祝う「セレブレーション」は、一日目の所沢市、二日目の熊谷市は予定通り行い、三日目のさいたま市については観客四百五十人を会場に入れるかを含め検討している。

◆五輪・パラ学校観戦 チケット7割キャンセル

 子どもたちを学校ごとに東京五輪・パラリンピック観戦へ連れて行く「学校連携観戦チケット」の申し込みについて県は22日、5月下旬に38自治体と県立学校115校と私立6校から約8万6800枚分あったのが、7割強にあたる約6万4800枚分キャンセルされたと発表した。
 チケットは、市町村や学校ごとに申し込み、県がとりまとめて大会組織委員会へ申し込む。県によると、昨年の大会延期前は組織委から埼玉県分として割り当てられた約9万2800枚以上の希望があったが、延期やコロナ感染の懸念などから減少。5月下旬、組織委からキャンセル受け付けの連絡があり、確認したところ大量にキャンセルが出た。
 最終的に券を申し込むのは15自治体と県立105校、私立6校の計2万2007枚分。五輪の5競技(バスケットボール、サッカー、射撃、ゴルフ、陸上)とパラの2競技(射撃、陸上)を観戦する予定。(飯田樹与)

関連キーワード

PR情報

埼玉の新着

記事一覧