大好き大洗 起業で恩返し ガルパン元宣伝プロデューサー

2019年7月30日 02時00分

ガルパンの縁で起業した広岡さん=大洗町で

 大洗町を舞台にした人気アニメ「ガールズ&パンツァー(ガルパン)」の宣伝プロデューサーだった広岡祐次さん(38)が、町内にコワーキングスペース(共用オフィス)などの運営会社を設立した。利用者を呼び込みつつ、商店街のサポートをし地域活性化につなげる狙い。「作品を温かく受け入れてくれた町のために恩返しを」と、並々ならぬ意欲を見せている。 (越田普之)
 広岡さんは二〇〇三年にゲーム大手ナムコに入社。熊本県でアミューズメント施設の運営を担当していた時、アニメ鑑賞に目覚めたという。その後、自ら希望してアニメ製作会社のバンダイビジュアルへ出向し、ガルパンを含めて十以上の作品の宣伝に携わった。
 「ガルパンの仕事で大洗に来て感じたのは、商店街に元気があること。作品を歓迎してくれたばかりか、宣伝にも大いに協力してもらい、こちらがファンになった」。テレビ放送から七年近くたつ今も人気が衰えないのは、地元の盛り上がりが要因とみている。
 製作会社での仕事は充実していたが、二〇一七年末に父親が病気を患ったのを機に人生を見つめ直した。本当にやりたいことは何か突き詰めて考えたところ、ガルパンを通じて出会った「地域で頑張る人々」が頭に浮かび、町の役に立ちたいと思うようになった。
 今年三月、高校時代の友人だった利満久師(としみつひさし)さん(38)とコワーキングスペースなどを運営する「ハイド&ルーク」を設立。起業を機に製作会社を退社し、六月十三日には町内の商業施設「大洗シーサイドステーション」に「ARISE CO-WORKING」をオープンした。
 電源やインターネット環境が整った約百二十平方メートルのスペースでは、二十人ほどが同時に利用できる。広岡さんが願うのは、利用者がつながり、新たな取り組みが生まれることだ。
 また、宣伝プロデューサーとして培ったノウハウを生かし、商店街をサポートする構想も温めている。具体的には自前でインターネット通販をできない店のためのポータルサイトをつくり、新商品の開発・販売を後押ししたいとしている。
 共同起業者の利満さんが東京都内から町へ移住したのに対し、広岡さんは家庭の事情があり、川崎市から片道二時間半かけて通っている。負担は小さくないはずだが、「通勤中も仕事ができる。自分のような大洗のファンを増やしたい」と情熱をたぎらせている。
 ARISE CO-WORKINGの営業時間は当面、平日午前十時~午後七時(八月九日までは午後八時閉店)。利用は一時間五百円から。問い合わせは=電029(266)8030=へ。
<ガールズ&パンツァー> 大洗町を舞台にしたアニメのオリジナル作品で、架空の高校「県立大洗女子学園」に通う生徒らの青春を描く。2012年のテレビ放映以後、ファンが町を繰り返し訪れるようになり、東日本大震災後の観光復活に大きな役割を果たした。劇場版最新作「最終章」シリーズの第2話が公開中だ。

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