県庁所在地に唯一立地する島根原発2号機が新基準「適合」 規制委が審査書案を了承

2021年6月23日 11時45分
 原子力規制委員会は23日の定例会合で、中国電力島根2号機(松江市)の事故対策が新規制基準に適合するとした審査書案を了承した。事実上の新基準適合判断となる。1カ月の意見公募(パブリックコメント)をへて正式決定する。新基準適合は10原発17基目。中国電は対策工事を2021年度中に終える予定で、それ以降の再稼働を見込んでいる。

島根原発2号機(左)と廃炉作業中の1号機=2021年5月25日、松江市で

 島根原発は全国で唯一、県庁所在地に立地。避難計画の策定が義務づけられる30キロ圏内には島根、鳥取両県の6市があり、人口は約46万人に上る。そのうち、寝たきりの高齢者や障害のある人ら避難時に支援が必要な住民は約5万2000人。30キロ圏内人口が約94万人と最多の日本原子力発電東海第2原発(茨城県)周辺の要支援者約3万8000人を上回り、避難計画の実効性が課題となる。
 原発の再稼働には立地自治体の同意が必要になるが、島根県と松江市は取材に対して、いずれも賛否を明らかにしなかった。
 中国電は13年12月に規制委へ審査を申請。審査では、原発近くの宍道断層の長さを申請時の22キロから39キロに見直し、耐震設計の目安となる地震の揺れ(基準地震動)を引き上げた。最大の津波高さも、申請時から2.1メートル高い11.6メートルを想定し、海抜15メートルの防潮堤を建設した。
 中国電は建設中の3号機の審査も18年に申請している。3号機はほぼ完成しており、審査を通過すれば、東京電力福島第一原発事故後としては初めての新設炉の稼働になる可能性が高い。(小野沢健太)

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