選択的夫婦別姓、自民内での賛否対立解消せず…結論は衆院選後に先送り<最高裁決定>

2021年6月23日 20時53分
 夫婦別姓を認めない民法と戸籍法の規定が憲法に反するかどうかが争われた家事審判の決定で、最高裁大法廷(裁判長・大谷直人長官)は23日、「合憲」との判断を示した。最高裁は2015年判決の時点から立法府である国会での議論の必要性を指摘していた。だが自民党内で賛成、反対両派の対立が続き、結論は秋までに行われる衆院選の後に先送りされている。
 政府は選択的夫婦別姓制度について昨年12月、21年度から5年間の女性政策をまとめた第5次男女共同参画基本計画に「必要な対応を進める」との文言を入れる案を自民側に提示した。すると反対派から「家族観を根底から覆す」と批判が噴出。計画から文言が削られた。
 今年3月の衆院予算委員会では、菅義偉首相が制度導入への考えを聞かれたが「国民の理解を得て対応する必要がある」と話すにとどまった。
 自民は4月にワーキングチームを設置。今月16日に取りまとめた論点整理では「氏を改めることによる不利益を解消する」としながら、現行制度をどう見直すかの方向性は示さなかった。
 23日の最高裁決定を受け、自民賛成派の井出庸生衆院議員は「党が結論を出さずに来た責任を取らなければいけない」と、早期の選択的夫婦別姓制度導入を訴えた。自民執行部の下村博文政調会長は「判決も参考にすると思うが、衆院選後に党として氏制度のあり方を見極めたい」と語った。
 一方、選択的夫婦別姓を容認する公明党の竹内譲政調会長は「今後国会で議論すべきテーマだ」と指摘。
 立憲民主や共産などの野党が国会に提出した選択的夫婦別姓を認める民法改正案は、議論されないまま継続審議扱いになっている。立民の福山哲郎幹事長は、改正案の審議を求めた上で「女性の活躍、選択的夫婦別姓を望む多くの声に正面から向き合っていない」と自民の対応を批判した。(柚木まり)

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