<森友問題>国提出の赤木ファイルに「欠けた部分」と妻側指摘、原本の提出を要求

2021年6月23日 21時08分
開示された「赤木ファイル」の写し。近畿財務局にあてたメール内で示されたマーキング部分には「安倍昭恵総理夫人」の記述がある=22日、東京都千代田区で

開示された「赤木ファイル」の写し。近畿財務局にあてたメール内で示されたマーキング部分には「安倍昭恵総理夫人」の記述がある=22日、東京都千代田区で

 学校法人「森友学園」の国有地売却を巡る財務省の決裁文書改ざんで、自殺に追い込まれた近畿財務局の元職員赤木俊夫さん=当時(54)=の妻雅子さん(50)が国に賠償を求めた訴訟の口頭弁論が23日、大阪地裁(中尾彰裁判長)であった。赤木さんが改ざんの経緯をまとめた「赤木ファイル」が証拠採用された。

◆黒塗り外して裁判官だけに、と妻側

 雅子さん側の代理人弁護士は、国が提出したファイルが原本の写しで一部黒塗りされている点に触れ「赤木さんが残した資料の全てが提出された裏付けがない」として原本の提出を要求した。
 国側は個人情報が漏れる恐れを理由に拒んだが、閉廷後の協議で雅子さん側は、黒塗りを外した全ての原本を裁判官のみが確認するやり方を提案。国側は7月の次回協議までに検討するとした。

◆「別添資料」がない

 閉廷後の会見で、雅子さん側代理人の松丸正弁護士は「国が提出したファイルには『別添資料にて局長説明を行った』と書かれたメールに別添がないなど、欠けた部分がある」と指摘した。
 雅子さんは法廷で、「ファイルには(当時の佐川宣寿理財局長から)国会答弁をふまえた修正の指示があったと記載される一方、佐川氏の指示がどのように夫まで伝わったのかは明らかになっていない」と訴えた。「このままでは上司の軽率な指示で自殺に追い込まれる職員がまた出る」として、第三者による再調査を求めた。
 昨年3月に裁判が始まって1年以上、国は赤木ファイルの開示を求める雅子さんらに対し、存否すら明らかにしてこなかった。

◆ごまかし?の麻生財務相は取材拒否

 大阪地裁の要請を受け、国は5月に提出を決めたが、その際も麻生太郎財務相は「何を称して赤木ファイルというか全然分からない」「みんなで検討してこれが赤木ファイルなんだろうというものを提出する」と述べていた。麻生氏は23日、記者団からの取材要請を断った。その上で、財務省は「訴訟には真摯しんしに対応する」とコメントした。 (皆川剛、森本智之)

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