東京に「急激なリバウンド」の懸念 専門家ら「『最大1万人』は状況に応じ見直しを」

2021年6月23日 22時40分
18日、政府などに提出した東京五輪・パラリンピックの感染対策に関する提言について記者会見する尾身茂氏

18日、政府などに提出した東京五輪・パラリンピックの感染対策に関する提言について記者会見する尾身茂氏

 新型コロナの感染状況を分析して厚生労働省に助言する専門家組織「アドバイザリーボード」は23日、東京都の新規感染者が増加していることに対し、「急激なリバウンドの懸念」の認識を共有した。メンバーの多くは東京五輪・パラリンピックは無観客が「望ましい」とした提言に参加しており、専門家たちは感染状況に応じて「最大1万人」の観客数を柔軟に見直すように求めた。

◆尾身会長らに危機感

 提言を中心的にまとめた政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長らは、この日の会合後、600人を超えた東京の新規感染者数を受け「上昇基調」「急激に上がる可能性」などと、警戒感を口にした。五輪会場での飲酒禁止は「当たり前。議論の余地はない」と断言。一方、観客の上限1万人については「私の意見は申し上げた」と言葉少なだった。別のメンバーは「あまり尊重されていないと感じるが、そこは政治家の判断」と割り切った見方を示した。

◆客観的評価で無観客を求める

 同じく提言に名を連ねた前田秀雄・東京都北区保健所長は「『感染拡大し緊急事態宣言のようになれば無観客も検討する』と(大会組織委に)言わせたのは一つ、くさびを打った」と評価。7月ごろに主流となると予測される、インドで見つかったデルタ株の影響と人流増加、ワクチン対策の進捗状況を見極めた分析の必要性を強調した。
 専門家組織座長の脇田隆字・国立感染症研究所長も「五輪の競技場は主に東京、首都圏を中心にあり、感染状況は増加傾向。専門家の会合で客観的な評価をするので、組織委は、評価に基づき(観客数を)判断してもらうことが重要」と注文を付けた。(沢田千秋、藤川大樹、大野暢子)

関連キーワード

PR情報