心のこもった読み聞かせ 人気集める、つくばの絵本店

2019年7月26日 02時00分

「えほんやなずな」の店主藤田一美さん=つくば市で

 つくば市の住宅街にある書店「えほんやなずな」は、絵本を通して地域の交流を豊かにしようと、京都市出身の藤田一美さん(58)が二〇一六年十月に開店した。つくば市は夫の転勤先で、「元は絵本好きな主婦だった」という藤田さん。心のこもった読み聞かせや本選びで、店は人気を集めている。
 店名は「つつましくもたくましい野草のように、小規模でも地域に根ざした店にしたい」との思いから。夫の転勤に伴い福岡県や香川県で暮らしたが、地域になじめなかった時期もあり、「子育て世代が気楽におしゃべりできる場をつくりたい」と考えてきた。
 読み聞かせや選書のセミナーを受講した経験を生かし、絵本を読む際には声の大きさや高低、顔の表情を意識。子どもが夢中になってくれると、何よりうれしい。店内にはベビーベッドや腰掛けを置く。木材で手作りした本棚は高さを抑え、小さな子どもでも届きやすくした。子どもの年齢や性格、好きなおもちゃなどを聞き取りつつ、約三千五百冊の在庫からお薦めを一緒に選ぶ。
 近所の親子や、孫向けの本を探す祖父母の間で評判が広まり、最近は出版社や読み聞かせサークルの関係者も訪れる。電子書籍で読める絵本も増えつつあるが、「液晶画面の操作では、ページをめくる際の緊張感やわくわくする気持ちは薄くなる」と考える。
 本の重さや人の息遣いを感じられる、実物の読み聞かせを大事にしたいという藤田さん。「読むたびに新しい体験をできるのが絵本の醍醐味(だいごみ)」と笑顔で語った。

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