人口岬周辺で遊泳しないで 県が警告 離岸流発生の恐れ

2019年7月27日 02時00分

神栖市の鹿島灘のヘッドランド(県提供)

 本格的な海水浴シーズンを前に、本県など各地の自治体が「ヘッドランド」と呼ばれる人工岬周辺での遊泳や立ち入りの禁止を呼び掛けている。沖へ向かう「離岸流」が起きやすく、毎年のように水難事故が発生。県は「事故に遭う恐れがあることを認識し、近づかないで」と訴える。
 ヘッドランドは沖合に突き出すように造られたいかり形や丁字形の岬。波による砂浜の浸食を防ぐため一九八〇年代以降、各地で設置が進み、国土交通省によると、昨年三月時点で青森や沖縄など二十一県に計二百十七基ある。
 ヘッドランド付近では、打ち寄せた波が海岸に当たって行き場を失い、局所的に強い流れとなる離岸流が発生しやすい。県警が「五輪の競泳選手でも流れに逆らうのは困難」とするほど速く、同じ場所でも潮流などによって異なる向きに流れるのが特徴だ。
 太平洋に面した鹿島灘には、一~二キロ間隔で三十三基が設置。定住外国人の増加や、釣りの穴場として知られるようになったことから、危険を理解しないまま立ち入る例が相次いでいる。
 その結果、波消しブロック上で貝を採ろうとした男性が溺死したり、水遊び中に流された娘を助けようと海に入った父親が亡くなったりといった事故が後を絶たない。県警は、大半の原因を離岸流とみている。
 県は例年、ベトナム語やタイ語など六カ国語のチラシを作って注意喚起していたが、昨年改めて遊泳禁止を示す看板や柵を設けた。ただ、常に監視するわけにもいかず、立ち入りを防ぎきれないという。
 県の担当者は「離岸流はいつ、どこで起きるか予測が難しい。三十分前まで穏やかでも、急に流れが変わったり速くなったりすることがあることを知ってほしい」と話している。
<離岸流> 海岸に向かう波や風によって打ち寄せられた海水が沖に戻ろうとする時に発生する帯状の速い流れ。海上保安庁によると、幅10~30メートル、長さ数十~数百メートル程度で、速さは最大秒速2メートル。気象条件や波の強弱などで場所や規模が変わるため予測は困難。流された場合は海岸に向かおうとせず、岸と平行に泳いで抜け出すようにしたり、泳ぎに自信のない人は浮くことに専念し救助を待ったりするとよい。

ヘッドランドへの立ち入り禁止を呼び掛ける看板と柵=6月、鹿嶋市で(県提供)

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