八王子市 身内のつばぜり合い<都議選 注目区を行く(下)>

2021年6月24日 07時15分
距離を置きながら支持を呼びかける2人の都議選候補=八王子市で

距離を置きながら支持を呼びかける2人の都議選候補=八王子市で

【八王子市(五…9)】
両角穣59 都現
滝田泰彦39 都現
伊藤祥広52 自現
西山賢44 自新
東村邦浩59 公現
青柳有希子42 共新
須山卓知40 立新[社][ネ] 
滝沢景一55 維元
押越清悦62 諸新
 「久しぶりに顔を合わせた。お互い必死に走り回っている」。今月中旬、JR八王子駅前で、自民の伊藤祥広さんは、市議会の後輩にあたる新人西山賢さんと並んでマイクを握り、党として二議席目を奪い返す決意を示した。国会議員や市議団が見守る中、西山さんも「地元と都が連携できる都議が必要」と党一丸の戦いを強調した。
 前回都議選で一議席を失った雪辱を期す自民は昨年末、市を南北に通る国道16号を境に、十四人の党所属市議を東は伊藤さん、西は西山さんに七人ずつ振り分けた。票を組織的に固める戦略だ。自民関係者は住み分けの背景に前回都議選の「小池旋風」を挙げ、再来を警戒する。
 だが、実情は「陣地」をきれいに分割できているわけではない。伊藤さんのポスターは西部のあちこちに張られ、国道16号の「国境」はないに等しい。西山陣営も「最初から区分けなんかなかった」と本音を漏らし、東部への越境を活発化させている。
 二議席維持を目指す都民ファの両角穣さん、滝田泰彦さんは、当初から「仁義なき戦い」を繰り広げる。滝田さんは「選挙戦の打ち合わせは全くしていない」と言い切る。自民が衆議院議員や市議団をフル活用するのに対し、都民ファには国会議員はもちろん、市議もいない。二人は互いを浮動票を奪い合う「ライバル」と見ている。
 前回の選挙では、小池百合子知事と二人が並んで街頭演説をする場面もあったが、今回はそろい踏みの予定はない。両角事務所幹部は「小池さんが『都民ファーストを支持する』と前面に出れば、多少は風が吹く可能性はある」とみるが、「あの人は非情だ」と期待はしていない。両角さんが市議だったころからの支持者も丹念に回る、どぶ板選挙を徹底する構えだ。
 立憲民主と共産の野党共闘は八王子では見込めない。共産は六期務めた現職の後継として市議の青柳有希子さんを立てており、「立民と合わせて二議席獲得」の雰囲気はない。須山卓知さんを擁立する立民の地元市議も「複数区は『野党共闘』の適用外だ」と話す。
 逆風となった二〇〇九年の「民主旋風」でも、安定した票を獲得した公明の東村邦浩さん陣営は支持基盤を着実に固める戦術だ。〇九年には旧民主公認でトップ当選した滝沢景一さんは日本維新から返り咲きを狙う。諸派の押越清悦さんも支持拡大を図る。(布施谷航)

■名簿の見方

 選挙区((1)…(2))
 (1)は定数、(2)は現時点での立候補予定者数。掲載順は原則として都議会の党派勢力順。[ ]内は推薦・支持。敬称略

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