市出身・神谷さん 制作会社と本 川越の近代建築をアニメ画で 「聖地巡礼」街歩きマップも

2021年6月24日 07時18分

「アニメで感動した背景画の手法で、建物の魅力を伝えたかった」と語る発行人の神谷利一さん=川越市で

 川越市に残る大正・昭和の建物二十一棟を、アニメ風イラストで紹介する「川越の建物 近代建築編」(二千二百円、仙波書房)が出版された。川越市出身の神谷利一さん(48)=狭山市在住=が一人で立ち上げた仙波書房による第一弾。「建物に興味を深め、川越の街歩きを楽しんでもらえたら」と話している。(中里宏)
 神谷さんは大学卒業後、関東郵政局を経て、医療・自然科学系の出版社に十五年勤務。独立して最初の本の出版を模索している時期に、川越を舞台にしたテレビアニメ「月がきれい」で見た川越の橋のシーンを思い出した。
 「中学時代に見慣れていた景色は灰色のイメージだったが、アニメでは青い空と芝生とともに描かれ感動した。こんなシーンを描くことができるアニメ会社に川越の建物を描いてもらえたら」と、昨年十月、そのアニメを手掛けた制作会社「feel.」に企画を相談。多くのアニメ作品の背景美術画を担当してきた「プロダクション・アイ」を紹介された。
 蔵造りの町並みで有名な川越だが、大正から昭和初期の洋風建築や看板建築など味のある建物も多く残る。本では一棟ずつ、アニメの場面から飛び出したような扉絵と人を中心にした建物の歴史を添えている。知人の建築家に監修は頼んだが、専門用語は極力省いた。
 それぞれの建物がロケやモデルとして登場する映画、ドラマ、アニメ作品も紹介し、「聖地巡礼」がしやすいように街歩きマップも充実させている。「地方都市に特化した建築の本は、他の出版社では企画が通らないと思う。一人だから出せた」と話す。
 建築本は通常、五十代の男性がメインターゲットだが、「女性が手に取りやすい装丁にした」といい、川越駅近くの書店では発売から一週間で全ジャンルで総合一位の売り上げを記録するなど建築本としては異例の好スタートを切った。イラスト原画展も川越駅前の川越マイン三階(八月末まで)とルミネ川越四階ブックファースト川越店(七月末まで)で開いている。全国の書店とアマゾンなどで購入できる。

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