永遠の命リアルに あす公開「Arc アーク」 芳根京子 難役「ストッパーかけず演じた」

2021年6月24日 07時45分

「脚本を読んでどう撮影するのか、想像もつかなかったことにも面白みを感じました」と話す芳根京子

 永遠の命を手に入れた人類の境地とは−。25日公開の映画「Arc アーク」(石川慶監督)は、人の一生とは何かを問う壮大な物語だ。主演の芳根京子(24)は「SFという感じではなく、新しいジャンルの映画。作品世界をリアルに感じてもらえたら」と語る。 (藤原哲也)
 息子と別れて放浪していた十九歳のリナ(芳根)は、師となるエマ(寺島しのぶ)のもとで、遺体を生きていた姿のまま保存できる施術「プラスティネーション」を学ぶ。やがてエマの弟の天音(岡田将生)が、施術を応用させた不老不死の技術を開発。三十歳となったリナは、若い体のまま天音とともに終わりのない人生を選ぶが…。中国系米国人作家ケン・リュウの同名の短編小説が原作だ。
 百歳以上まで生きる難役に挑戦した芳根は当初、出演依頼に迷ったという。「すごく面白いからこそ、今の自分にはまだ力不足と感じた」。正直な気持ちを石川監督に手紙で伝えると、返事が届いて直接会うことに。改めて強く依頼されると、「勇気がポッと芽生えた」。迷いは捨てきれなかったが、「あまり考えずに感じたまま、監督と二人三脚でリナという女性をつくっていった」と振り返る。
 劇中の激しいダンスやプラスティネーション独特の動きを習得するため、撮影前にはワークショップに参加。「こもっていた感情がパーンと出た感じがして。この役に出会ったのは意味があると思えた」。モノクロ映像を多用する後半は、永遠の命を持つがゆえに遭遇した複雑な運命と向き合う姿が描かれるが、「自分にストッパーをかけない気持ちで演じた。作品に出てくる感情に何一つうそはない」と言い切る。

映画「Arc アーク」から。プラスティネーションの施術を演じる芳根京子

 二月公開の映画「ファーストラヴ」では狂気に満ちた殺人犯を演じ、現在放送中のNHKの主演ドラマ「半径5メートル」では若手雑誌編集者をコミカルに演じるなど振り幅が大きい役が続く。「もちろん人を殺す役か人を笑わせる役だったら、人を笑わせる方が好き」とおどけつつ、「何でもやりたいのが本音。どういう役が舞い降りてきて出会えるのかが楽しみなので」。貪欲な姿勢が勢いのある仕事ぶりを支えている。
 永遠の命への憧れを尋ねると、「今は年を取ることも楽しみ。そういうものがなくなってしまうと、やはり何かがゆがむ気がして。今のまま進んでいきたい」。女優として新たな境地にたどり着きつつある。

関連キーワード

PR情報

芸能の新着

記事一覧