警察庁がサイバー局を新設へ 直轄の捜査隊は200人態勢

2021年6月24日 11時51分
警察庁の入る東京・霞が関の合同庁舎

警察庁の入る東京・霞が関の合同庁舎

 警察庁は24日、来年度にサイバー局を新設し、重大サイバー事件を捜査する「サイバー直轄隊」(仮称)を発足させる方針を決め、国家公安委員会に報告した。サイバー攻撃が高度化し、国家の関与が疑われるケースもあることから、体制の整備が必要と判断した。皇宮警察本部を除き、警察庁が直接捜査を行う機関を設けるのは初となる。同庁で局が新設されるのは1994年の生活安全局以来。(佐藤大)
 現在、サイバー事件への対応は、生活安全局や情報通信局などに分かれているが、サイバー局に集約する。情報通信局はなくし、警察通信の整備などを担ってきた部署は長官官房に移し、技術政策を統括する。
 サイバー直轄隊は都道府県警からも技術を持つ人材を集め、約200人態勢。組織上、関東管区警察局のもとに置き、東京都内に拠点を設ける。行政機関や重要インフラ事業者に対するサイバー攻撃や、全国的に大きな被害が発生しているマルウエア(悪意のあるソフト)などのサイバー事件の捜査を想定する。
 警察庁によると、欧米ではサイバー捜査は国家機関が担うケースが多い。同庁は国家機関にサイバー捜査部門を置くことで、欧米とのコンピューターウイルス制圧作戦などに参加しやすい体制の整備も図る。
 ただ、戦前の国家警察への批判もあり、現行警察法は一般の犯罪捜査は都道府県警が行うとしている。このため、サイバー局の新設には警察法改正が必要で、警察庁は来年の通常国会に法案を提出する方針。
 警察庁によると、昨年に全国の警察が摘発したサイバー犯罪は9875件で過去最高を更新した。今年4月には、警視庁が、宇宙航空研究開発機構(JAXA)などへのサイバー攻撃に関与したとして、私電磁的記録不正作出・同供用容疑で中国共産党員の男を書類送検。コロナ禍に伴うデジタル社会の進展で、市民がサイバー空間で犯罪被害に遭うリスクの増大も懸念されている。

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