昭和レトロを遊ぼう 西武園ゆうえんち、70年ぶりリニューアル

2021年6月25日 07時05分

タイムスリップしたような「夕日の丘商店街」

 1950年開業の西武園ゆうえんち(埼玉県所沢市)が70年ぶりに全面改修され、5月にリニューアルオープンした。高度経済成長期ならではの活気や人情味にあふれていた60年代をイメージした商店街や、当時人気だった怪獣ゴジラの乗り物型アトラクションが目玉。懐かしくて新しい「昭和」を体験してみた。
 「リンゴはいらないか。いらない? じゃあ、美空ひばりさんがつまずいたといわれる小石をおまけにつけるぞ。頼むから買ってくれい!」

ノスタルジーにあふれるたたき売りのパフォーマンス

 軽妙なたたき売りの話術で来場者を笑わせたのは、三十店舗が軒を連ねる「夕日の丘商店街」の青果店主。精肉店に鮮魚店、駄菓子屋などが並ぶ商店街は、長年使い込んだように加工された物干し、あえて塗装をはがしたウインドー、砂をまいて土ぼこりが立つ演出を施した路面など、細部にも当時の趣を感じさせる工夫がされている。
 喫茶店には「バタアエビピラフ」「ゼリイポンチ」など、一定の年代以上の人には懐かしいメニューがずらり。注文して食べることができ、平日でも行列ができる盛況ぶりだ。

昭和の洋食を食べられる喫茶店には長い行列が

 令和によみがえった昭和の街並みに、神奈川県から来た平成生まれの女性会社員(25)は「昭和の雰囲気を味わいたくて来た。写真映えするところもいい」。東京都東村山市の六十代男性は「近くの商店街に、夕ご飯のコロッケを買いに行った子どものころを思い出した。対面販売も人の温かみが感じられて良いね」と懐かしそうだ。
 商店街を見下ろす丘に登場したアトラクション「ゴジラ・ザ・ライド」は、「特殊装甲車」に乗り、ゴジラ対キングギドラの激闘の中へ放り込まれる。ビル上層階から突き落とされるような映像と連動して乗り物が激しく上下動し、キングギドラの叫び声とともに降り掛かる水しぶき。「理不尽すぎるスリル」といううたい文句に違(たが)わない迫力だ。

商店街から見える小高い丘に立つ映画館「夕陽館」。アトラクション「ゴジラ・ザ・ライド」はここで体験できる

 園内の飲食や買い物には、「西武園通貨」という独自通貨が使われる。六〇年代の紙幣を模した色合いや手触りで、こうした小道具でも念入りに昭和感を演出している。
 同園によると、改修の総事業費は百億円。今あえて「昭和」に時計の針を戻した狙いについて、同園担当者は「技術革新やデジタル化で人間関係の希薄化が指摘される今、六〇年代に象徴される人懐っこい人々と触れ合い、心温まる時間を過ごしていただきたい」とアピールする。

2階の窓に干したままの洗濯物。演出が細かい

 不定休で、営業時間は平日、休日などにより異なるため要確認。問い合わせは西武園ゆうえんち=電04(2929)5354=へ。
文・加藤木信夫/写真・松崎浩一
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新聞販売店の前で記念撮影

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