中車、リアルさに挑む 七月大歌舞伎で「あんまと泥棒」 歌舞伎座

2021年6月25日 07時09分
 東京・歌舞伎座「七月大歌舞伎」第一部(午前十一時開演)で、市川中車(55)=香川照之、写真=が「あんまと泥棒」「蜘蛛(くも)の絲宿直噺(いとおよづめばなし)」に出演する。コロナ禍で東京都に出ていた緊急事態宣言は解除されたが、大向こう(掛け声)禁止など感染防止のための対策は継続しており、「粛々とやるべきことをやりたい」と語る。 (山岸利行)
 「あんま−」はラジオドラマとして一九五一年に放送され、六六年に東京・明治座で初演。貧乏長屋に住む、目が不自由なあんま秀の市と、泥棒の権太郎によるコミカルな対話劇。権太郎には尾上松緑。二〇一八年十二月で演じた時のコンビとなる。
 秀の市役は今回が四回目となる中車だが、「過去の(自身の)映像を見たが、ダメ」と自らダメ出し。九一年に中村嘉葎雄(かつお)が演じた秀の市を例に「嘉葎雄さんのリアルな動きをもう一度勉強し直したい」と意気込み、「一人暮らしの一軒家に泥棒に入られた状況を写実にできれば」とリアルな舞台を目指す。

「あんまと泥棒」で、あんま秀の市を演じる中車 ©松竹

 「前回は(坂東玉三郎らが出演した人気演目)『阿古屋』の後の上演で下駄(げた)をはかされていた」と振り返り、「今回は第一部の一幕目」と気を引き締める。
 二〇一二年六月に九代目中車を襲名して九年。歌舞伎の世界に飛び込んで経験を積んできたが、「生きている実感がある」と心の内を明かす。
 「蜘蛛の絲宿直噺」では、初役で渡辺綱を演じる。出演はほかに、市川猿之助、中村梅玉ら。
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 「七月大歌舞伎」の第二部(午後二時三十分開演)は「身替座禅(みがわりざぜん)」(松本白鸚(はくおう)、中村芝翫(しかん)ら)、「御存鈴ケ森(ごぞんじすずがもり)」(中村錦之助、尾上菊之助ら)。第三部(午後五時四十分開演)は「雷神不動北山櫻(なるかみふどうきたやまざくら)」(市川海老蔵、中村雀右衛門ら)。
 第一部、二部は七月四〜二十九日、第三部は七月四〜十六日。八、十九日休演。
 チケットホン松竹=(電)0570・000・489。

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