橋本会長もコーツ氏もルール破り 範示さぬ「五輪大物」ら、ハグする幹部も

2021年6月29日 06時00分
有明体操競技場の視察を終えたIOCのジョン・コーツ調整委員長(右)と東京五輪・パラリンピック組織委の橋本聖子会長=23日、東京都江東区で

有明体操競技場の視察を終えたIOCのジョン・コーツ調整委員長(右)と東京五輪・パラリンピック組織委の橋本聖子会長=23日、東京都江東区で

  • 有明体操競技場の視察を終えたIOCのジョン・コーツ調整委員長(右)と東京五輪・パラリンピック組織委の橋本聖子会長=23日、東京都江東区で
  • 東京五輪・パラリンピックの行動ルールとして公表されている「プレーブック」。ハグの禁止や他人との距離確保について定めている
<取材ファイル>
 東京五輪・パラリンピックの選手・関係者らの行動ルールを定めた「プレーブック」。新型コロナウイルス感染対策のため、ハグの禁止や社会的距離の確保などを列挙しているが、先週、橋本聖子会長ら大会組織委員会のメンバーや国際オリンピック委員会(IOC)の幹部らがルールをおろそかにする場面を東京都内で目撃した。「大物」だからといって、守らなくていいわけはない。選手や観客にルール順守を求めるなら、まず自分たちが範を示すべきだ。(原田遼)
 23日午後1時半、有明体操競技場(東京都江東区)の1階通用口にワゴン車2台が寄せられた。視察に訪れたIOCのコーツ調整委員長、ギラディ調整副委員長、デュビ五輪統括部長の3人が車内から出てくると、橋本会長ら数人の組織委幹部らが肘タッチで出迎えた。
 それだけにとどまらず、ギラディ氏は顔なじみの職員を見つけると、がっちりハグを交わした。とがめる人は誰もいなかった。
 3人は来日して約1週間。特例で用務先での活動のみ許されるが、2週間の隔離を求められている身だ。全員がマスクを着用しているとはいえ、こんなに接触しては何のための隔離期間なのか分からない。
 視察の模様は代表撮影方式だったため、ハグの瞬間の写真はない。しかし私は、報道陣の待機場所となっていた2階踊り場から真下を見下ろして目撃したので、間違いない。
 その後、一行はわれわれのいる踊り場まで来て、そこでも橋本氏とコーツ氏は肩を寄せ合って談笑していた。一行はカメラマンがいる会場内に入ると、距離を空けて座り、イヤホンとマイクを使って会話をした。
 プレーブックは「選手向け」「オリンピック・ファミリー(IOC委員ら)向け」「メディア向け」などに分かれ、国内外で公表されている。そこには共通して「マスク着用の義務」「公共交通機関の利用禁止」などとともに、「ハグや握手などの物理的な接触を避ける」「人との距離は少なくとも1メートルを確保する」などとイラスト入りで紹介している。
 私は25日の定例会見で「違反行為ではなかったか」と質問すると、橋本氏は「マイク、イヤホンの状況がよくなかったので、近くで聞いてしまった。離れなければいけなかった。(選手らに)お願いする以上、主催者がより徹底した行動管理をしないといけない」と釈明した。肘タッチや同僚がしていたハグは「したかどうか分からない」と言葉を濁した。
 「それくらい、いいのでは」という意見はあるかもしれないが、厳しいルールを作ったのは当人たちだ。組織委は「違反した場合は資格停止などの措置を取る」とするが、ルールをおろそかにする主催者がどうして処罰をできるだろうか。
 この日の会見でもいつも通り「安全、安心」という言葉を繰り返したが、その前にプレーブックの熟読と順守が必要だろう。

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