コロナ収束見えぬ中、聖火つなぐ 藤沢でリレー始まる

2021年6月29日 07時27分

トーチキスセレモニー後、記念撮影するつるの剛士さん(中央手前)ら藤沢市を走る予定だった聖火ランナーら=いずれも藤沢市で

 東京五輪の聖火が28日、県内に引き継がれた。新型コロナウイルス感染は収束せず、6市にまん延防止等重点措置が適用される中、公道での聖火リレーに代わる点火セレモニーが藤沢市の辻堂神台公園で開かれた。観客は家族らに限られ静かな雰囲気の中、ランナーはそれぞれの思いを胸に聖火をつなげた。(酒井翔平、吉岡潤)
 点火セレモニーは箱根町や伊勢原市など七市町を走る予定だったランナー約九十人が参加した。自身のトーチにともした聖火を次のランナーのトーチに受け渡すトーチキスを繰り返し、最後にタレントのつるの剛士さん(46)が聖火皿に点火した。つるのさんは「聖火がコロナで苦しい生活を送る人々の希望の火となれば」と話した。式典であいさつした黒岩祐治知事は「感染拡大が続く中、公道走行はどうしてもできなかった。楽しみにしていたランナーには申し訳ない」と語った。
 点火セレモニーは二十九日に橋本公園(相模原市緑区)で、三十日に横浜赤レンガ倉庫(横浜市中区)で開かれる。一般の観客は入場できない。

聖火リレーの代替イベント会場前で、横断幕を手に東京五輪中止を訴える人たち

◆「残念」「興味ない」「やめるべき」走行ルートだった自治体住民ら

 公道での聖火リレーが中止となり、聖火が通るはずだった自治体の住民からはさまざまな声が聞かれた。
 「残念ですよ」。二十八日に出発式が予定されていた箱根町の元企画観光部長で、在任中にコースを考える責任者だった吉田功さん(62)は唇をかむ。「箱根駅伝往路ゴール付近を出発し、箱根関所、箱根旧街道杉並木を通って、富士山を見ながら芦ノ湖畔を走る。世界に見てもらいたかった」
 藤沢市の点火セレモニー会場近くでは五輪中止を訴える横断幕を掲げる人も。約四百メートル離れたJR辻堂駅前で待ち合わせをしていた同市の会社員佐藤優介さん(30)は「聖火リレーや五輪に興味がないし、こんな状況ではランナーや選手を応援する気持ちにもなれない」と淡々と語った。
 横須賀市の会社員大井麻奈美さん(24)は、聖火が二十九日に自宅近くを通る予定がなくなったが「特に何も思わない」。五輪については「やってもやらなくてもいい。ただ人が集まり、感染が広がるのはどうかと思う」と疑問視した。
 二十九日は相模原市で点火セレモニーが行われる。しかし、同市緑区の無職桜井真理さん(65)は「感染が収束しない中、公道であろうがなかろうが、感染リスクが生まれると思う。聖火リレー自体やめるべきだ」と語る。「五輪が開催されればお祭りムードとなり、人の流れも活発になり感染は確実に広がるのではないか」と大会中止を求めた。(西岡聖雄、酒井翔平、村松権主麿、曽田晋太郎)

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