千葉・八街市の児童5人死傷 事故現場は「歩道なし」「交通量多いが信号なし」 市教委「危険箇所」判断せず

2021年6月30日 07時16分

事故現場から引き上げられたトラック。前部が破損している=いずれも八街市で

 八街市内の市道で市立朝陽小学校の児童の列にトラックが突っ込み、五人が死傷した事故。現場は多くの児童が利用する通学路だったが「歩道がない」「交通量が多いのに信号がない」といった点検項目に複数該当しながら、市教育委員会は対策が必要な危険箇所と判断していなかった。県教委も通学路の一斉点検を通知する方針を固めるなど対応を急いでいる。(太田理英子、中谷秀樹)
 県警によると、事故現場は中央線がない幅約七メートルの直線道路。ガードレールや路側帯はなかった。現場から東約二キロの国道409号では二〇一六年十一月、登校中だった同校の児童の列にトラックが突っ込み、四人が重軽傷を負う事故が発生。この現場もガードレールはなく、トラックは歩道に乗り上げていた。
 市教委は一六年の事故も踏まえ、県や県警とともに新たに通学路の危険箇所の点検を行ってきたが、今回の現場は対策が必要と判断していなかった。
 市教委学校教育課の担当者は「安全と認識していたわけではないが、すぐ近くに見通しが悪くて交通量の多い交差点があり、そちらを危険と判断していた」と説明。事故現場について、「見通しがいい直線道路だが幅が狭く、気を付けないといけない道路だった」と話した。
 市内には、今回の市道よりも狭く交通量が多い通学路があるといい、現在、今後の登下校時の見守り体制や通学路の緊急点検について協議しているという。
 また、県教委は今回の事故を受け、県立学校と県内の市町村教委に対し、通学路の危険箇所の一斉点検や登下校時の安全指導を行うよう通知する方針。毎年四月に行っている点検で、これまで求めていなかった危険箇所やその状況など結果報告を義務付け、具体的な対策につなげるという。
 熊谷俊人知事は、二十九日の報道陣の取材で「亡くなられた二人の児童の冥福を心から祈り、今も入院している児童が回復することを心から願っている。私も二人の子どもを持つ親として本当に言葉にならない」と述べ「(梅沢洋容疑者の)飲酒運転が事実なら絶対に許されるものではない」と断じた。

◆「胸が詰まる」地元住民ら献花 梅沢容疑者の親会社社長も

献花をした花束に向けて手を合わせる梅沢容疑者の勤務先親会社「南武」の知念社長

 事故から一夜明けた二十九日、現場周辺の道路には、地元住民らが次々と献花に訪れ「胸が詰まる思い」と悲痛な思いを明かした。
 事故にあった児童が在籍する朝陽小学校は、同日は臨時休校とした。県教委はスクールカウンセラー二人を同校に派遣した。
 事故に巻き込まれた児童と一緒に遊ぶ仲だという同小六年の男子児童(12)は「無事でいてほしい」と声を詰まらせた。同小三年の息子(8つ)がいる二十代の主婦は「飲酒運転なんてひどすぎる。事故の後の子どもの心のケアができるか心配」と話した。
 梅沢容疑者の勤務先親会社の「南武」の知念辰浩社長も現場を訪れ、花を手向けた。その後、報道陣の取材に応じ「(梅沢)容疑者とともに、亡くなられたお子さまやご遺族の方々に対して、謝罪を続けていきたい」と話した。(鈴木みのり)

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