報酬未払い…突然契約解除 水戸ご当地アイドル、また不適切運営

2019年6月11日 02時00分

水戸ご当地アイドル(仮)の運営側とのトラブルを振り返るゆめさん=水戸市で

 水戸市を拠点に活動するアイドルグループ「水戸ご当地アイドル(仮)」の運営側が、元メンバーの女性(19)に契約通りの報酬を支払わず、トラブルになっていたことが分かった。グループは昨年、メンバーへのセクハラなどの疑惑が浮上し解散。その後、再結成していた。各地のアイドルグループでも不適切な運営が相次ぎ、問題視されている。 (越田普之)
 トラブルを訴えたのは、昨年十一月から今年五月までグループに所属した「ゆめ」さん。ゆめさん側によると、一枚二百円のブロマイドを売った利益の半額を報酬として受け取る契約を運営側と結んだが、一月二十七日から滞った。
 二月になって運営側から「今は払えない。これで勘弁して」と一万円を渡された。話し合ったが、運営側は突然、五月四日で契約解除を通告。理由の説明はなかったという。未払い額は九万九千五百円に上った。
 公式ホームページで契約解除の発表がなく、ファンの間で臆測が飛び交ったため、ゆめさん側は五月二十八日、代理人の弁護士事務所を通じてトラブルを公表した。
 運営側は六月四日、本紙の問い合わせに「ある準備をしているところなので、一切お答えできません」と回答。ゆめさん側によると、この日に請求通りの入金があった。
 グループは昨年一月、当時のメンバーへのセクハラやパワハラ疑惑をきっかけに解散。昨年十一月、運営母体を変更したとして再結成していた。
 ただ、ゆめさん側によると、運営は解散前と同じ男性が取り仕切っていた。再結成時のメンバーだった四人は、半年足らずの間に全員が脱退。辞める際に「運営への不信感を覚えるようになった」とのコメントを出したメンバーもいた。
 ゆめさんは運営側へ「事実を正直に公表してほしかった」とする一方、「アイドルとして地域をPRする活動は楽しかった」と振り返る。心残りは、ファンやクライアントへ直接、別れのあいさつができなかったことだという。
 アイドルグループの運営を巡っては、各地で問題が次々と起きている。愛媛県では、グループのメンバーがパワハラを訴えて自殺。新潟県の「NGT48」では、メンバーが男二人に暴行され、運営の対応が問われている。
 ゆめさんは、各地の運営者に向け「アイドルを商品ではなく一人の人間として支えてほしい」と訴える。

◆事実ない「県・市公認」うたい募集

 またも運営上のトラブルが明らかになった水戸ご当地アイドル(仮)。再結成時や、その後のメンバー集めでは、行政の後ろ盾があるかのような文書を配り、保護者らの信用を得ていた疑いも浮上している。
 ゆめさん側によると、契約書に付随していた「事務局からのお願い」と題した文書に「在住の県・市に公認された団体」と記されていた。これを見たゆめさんの父親は「安心感があった」と振り返る。
 グループは以前、水戸市の「魅力宣伝部長」と、県警の「安全・安心アンバサダー」を委嘱されていたが、いずれも二〇一八年一月の解散で終了した。
 市は「再結成後は役職の委嘱や公認はしていない」、県も「『いばらき大使』『いばらきの魅力発信隊』への委嘱はしておらず、その予定もない」としている。
 運営側は文書について「古い様式のまま、使っただけ」と釈明し、ゆめさんにも伝えたと主張。しかし、ゆめさん側は「そのような話は聞いていない」と反発する。同じ内容の文書は、ほかの元メンバーらにも渡されていたという。
 芸能問題に詳しく、ゆめさん側の代理人を務めた河西邦剛(かさいくにたか)弁護士は「ご当地アイドルは、その土地から信用されることが大事で、役所の公認は重い。それを偽っていたとしたら悪質だ」と指摘した。 (越田普之)

契約時にゆめさん側が受け取ったという文書。「在住の県・市に公認された団体」との記述が確認できる

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