関東でインド由来のデルタ株が3割前後か、8月には東京の病床が限界に 国立感染研が推計

2021年6月30日 21時13分
新型コロナウイルス(NIAID提供)

新型コロナウイルス(NIAID提供)

 新型コロナの感染状況を分析し、助言する厚生労働省の専門家組織「アドバイザリーボード」は30日、東京五輪・パラリンピック期間中に市中感染が拡大すれば、8月以降、東京都の病床使用率が限界近くに達する可能性があるとの試算を公表した。首都圏の感染状況は全国よりも悪く、専門家は、背景にデルタ株(インド株)の影響があると指摘。現状より強い措置の必要性を強調した。
 試算は国立感染症研究所、京都大、東北大が実施。デルタ株の感染力を現在の主流であるアルファ株(英国株)の1・3倍と見積もった場合、東京都の1日の新規感染者数は7月上旬、1000人に達する。そのまま強い対策を取らなければ、五輪期間中に2000人に達し、確保病床数以上の入院患者が発生するという。
 鈴木基・感染研感染症疫学センター長は「強い対策を取らない限り、7月下旬から8月中旬ごろ爆発的な感染が起きる」とし、新規感染者数が1000人を超えた時点での緊急事態宣言発令が効果的との見方を示した。
 厚労省によると、ゲノム(全遺伝情報)解析で判明したデルタ株は6月28日時点で全国で224人にとどまる。しかし、感染研は民間検査会社のデータを分析し、デルタ株が6月末時点で、関東地方の陽性者の3割前後を占めると推定。7月半ばには5割を超え、アルファ株からの置き換わりが進むとみている。
 専門家組織座長の脇田隆字たかじ感染研所長は「デルタ株で感染拡大が早くなるので、早めの対策が必要になってくる」と述べた。
 感染研の資料では、1人が何人に感染させるかを示す実効再生産数は全国平均が0・87だが、首都圏の1都3県はすでに1を超えている。要因について、鈴木氏は「首都圏はデルタ株の影響に加え、社会の活動度が明確に上がって人流が増加し、接触機会が増えているため」と話した。(沢田千秋、藤川大樹)

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