<曇りのち晴れ>下町本来の姿

2021年7月1日 07時21分
 「はぁ〜この時は楽しかったな」
 したまち支局で、支局長が管内の記事を整理したスクラップをめくりながら、ため息をついている。楽しみにしていた祭りがまた中止になったようだ。
 私が担当になった昨年3月以降、隅田川花火大会や浅草サンバカーニバルなど大小の祭りやイベントが中止に、あるいは内容の変更に追い込まれている。
 5月の浅草神社の三社祭は、昨年に続き、本来のにぎやかさからはほど遠かった。雷門前で、神輿(みこし)の代わりにみ霊が入った木箱を載せたトラックを今か今かと待ったが、あっけなく通り抜けて終わった。
 「こんなの三社じゃないよ」と支局長。代わりにコロナ前の祭りの盛り上がりを熱く語ってくれた。うらやましくもあり、「お前はまだ下町を知らない」と言われているようだった。
 人情と心意気には折に触れているが、数々の下町名物の本来の姿を知らないまま、いつか交代するのでは、と焦る。支局員で、シャンシャンを見たことがないのは私だけ。まずは上野動物園だ。(砂上麻子 51歳)
      ◇
厚い曇り空でも雲の向こうには必ず青空がある−
そんな思いを胸に、記者が暮らしの出来事を綴(つづ)ります。

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