大宮愛が深すぎ「ガチャ」 名所キーホルダー人気 生みの親・中島さんが誕生秘話

2021年7月1日 07時46分

「大宮ガチャ」と中島さん=さいたま市大宮区のアルシェで

 さいたま市大宮区周辺の知る人ぞ知る名所などをキーホルダーに仕立てた「大宮ガチャ」が人気を集めている。三月に八種を千個限定で売り出したところ、会員制交流サイト(SNS)で大反響を呼び、わずか二日で完売。その後、生産体制を整え、六月からは第二弾の八種を売り出しいずれも好調だ。「生みの親」で大宮駅前のファッションビル「アルシェ」運営会社社長の中島祥雄さん(53)に誕生秘話を聞いた。(前田朋子)
 第一弾は、二十四時間営業で多国籍料理を提供する名物喫茶「伯爵邸」の看板や、大宮ソニックシティの「ソニックさん」など、相当マニアックなラインアップ。大宮を知る人は腹を抱えるが、そうでない人にはピンと来ない。辛うじて分かるのは、大宮発祥の中華料理チェーンで第二弾に登場した「日高屋」ぐらいか。
 地元育ちの中島さんが「街を元気にする面白いものを」と候補を探したが、何もない。「ないものをクローズアップして無理やり引っ張り出したら面白いのでは?」と並べても、あまりに身近すぎて、本当に面白いか確信が持てなかった。
 そこで東京在住の仕事仲間二人に見せたところ「すごく面白い」と背中を押され、ガチャを手掛ける「ジェットワークス」社が形にした。「自分が欲しいから、売れなくても」(中島さん)と恐る恐る売り出すと、まさかの大当たりとなった。
 名所というには局所的すぎるのが逆に「刺さった」というのが中島さんの分析だ。さいたま市としての合併で失われた旧大宮市の遺産を「時効だから」と出したものも受けた。
 一例が、合併前の旧市が一九九〇年に市制五十周年の記念キャラクターに採用した、こりすのトトちゃん。地元在住のメルヘン絵本作家あすかけんさんが手掛けたもので、記念誌ではページごとに登場し、着ぐるみも複数作られたという。今も大宮駅前に銅像があるが、合併後は影が薄くなっていた。ここに着目して第二弾に起用した。
 「だって(合併はしたけど)浦和と大宮って仲が悪いじゃないですか。逆手に取って、旧市も含めた各地域のアイデンティティーを呼び起こせるものを仕掛けていくのも面白い」と中島さん。実は今、大宮第三弾の検討を進める傍ら、浦和編も企画進行中だ。さらに県内の他自治体からも「一緒にやりたい」と声がかかっているという。
 埼玉をこき下ろした映画「翔(と)んで埼玉」の影響も大きいという。「横浜と違って、埼玉は地元を好きと言っちゃいけない空気がある。でも、あれで皆さん実は愛が強いのが分かった。こういうネタも『あ、好きっていっていいの?』と」。大宮ガチャ、それは深すぎる地元愛の結晶だ。
 ガチャは一回三百円。アルシェ、ビックカメラ大宮西口そごう店など駅周辺四カ所に設置、販売中。

第1弾 左上から時計回りに氷川神社、伯爵邸、アルシェ、大宮そごう、ソニックさん、駅前ビルのDOM、市名産の盆栽を織り込んだキャラクター・ぼんサイくん、地元FM局NACK5のロゴ

第2弾 左上から時計回りに氷川神社、伯爵邸、アルシェ、大宮そごう、ソニックさん、駅前ビルのDOM、市名産の盆栽を織り込んだキャラクター・ぼんサイくん、地元FM局NACK5のロゴ 左上から時計回りに、トトちゃん、中央デパート、洋品店の「DAIMARU」、ビックカメラ大宮西口そごう店の「大宮たん」、ガス会社「サイサン」のボンベ、J:COM「埼玉の逆襲」のキャラ「たまやん」、大宮発祥「日高屋」と前身の来来軒(表裏)、氷川神社の「茅の輪くぐり」


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