トーチキス1人数分、スポンサーイベントは2時間以上…公道中止の聖火リレーで記者が感じた疑問

2021年7月1日 11時47分
東京2020オリンピック聖火リレーセレブレーションで聖火台に聖火をともすEXILEのUSA

東京2020オリンピック聖火リレーセレブレーションで聖火台に聖火をともすEXILEのUSA

 公道走行を中止にし、一般客を入れないー。新型コロナウイルスの影響で、本来の形を変えてまで聖火リレーを実施するのは、1年待ったランナーのためだと思っていた。だが3日間、神奈川県内の点火セレモニーを取材し、果たしてそうなのか、疑問に感じた。商業五輪の側面が垣間見えたからだ。
 “主役”であるはずのランナーのトーチキスは1人当たり数分で、あっけなく終わった。それに対し、スポンサー企業が最終日に行ったイベントは「聖火ランナーを応援するため」として2時間以上行われた。
 各日とも会場にはスポンサー企業のブースが設けられ、出番を終えたランナーや家族や友人を呼び込み、自社技術をPRしたり製品を配ったりした。担当者は「県の対策ガイドラインに基づき感染症対策を講じている」と言うが、感染拡大を防ぐため聖火リレーの形を変えながら、わざわざ人と人との接触を増やす必要はあるのか。

◆五輪開催に、ランナー「私も心配」

 五輪中止を訴える人たちの最大の理由は、感染拡大への懸念だ。疑念は聖火ランナーも抱いている。ある女性ランナーは「否定的な声があるのは当然。私も心配がある。必ずしも開催するのがいいとは思わない」と心境を吐露した。医師でもある男性ランナーは「医学的にはノーですよ、どう考えても」と言い切った。
 スポンサー企業を優遇し、感染防止を軽視するかのような姿勢が見える限り、開催への理解は得られないだろう。(酒井翔平)

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