ミャンマー国軍、拘束市民2300人を解放 統治掌握アピールか クーデターから5カ月
2021年7月1日 21時10分
【バンコク=岩崎健太朗】ミャンマー国軍は6月30日、クーデターへの抗議などで勾留されていた市民2300人を一斉に解放した。治安回復のアピールとみられるが、人権団体などは「日々、民間人の拘束は続き、勾留された人たちはひどい拷問や刑罰を受ける。すべての政治犯が釈放されるまでは民主国家とは言えない」と批判している。
◆「我々は『軍事政権』ではない」
7月1日でクーデターから5カ月を迎えたが、不服従運動や武装抵抗はやまず、市民が国軍統治を受け入れる気配はない。人権団体「政治犯支援協会」によると、今回の解放前までは5200人以上が拘束下にあった。軍系メディアなどによると、政治家やデモ指導者ら重要人物を除き、裁判中の市民らが解放対象となったとみられる。活動家として手配された父親の身代わりに拘束されていた5歳の少女も、マンダレーの収容施設から解放された。
国軍は6月29日にも、指名手配中の著名人24人への訴追取り下げを発表。一方、30日には外国メディアに「『軍事政権』と報じることは誤りで法的措置を講じる」と警告した。(バンコク・岩崎健太朗)
おすすめ情報