能舞台映像を無料配信 観世、金剛宗家秘蔵の能面使用 4月上演「泰山木」のダイジェスト

2021年7月2日 07時41分
秀吉ゆかりの「雪の小面」=金剛宗家蔵

秀吉ゆかりの「雪の小面」=金剛宗家蔵

  • 秀吉ゆかりの「雪の小面」=金剛宗家蔵
  • 世阿弥ゆかりの「小癋見」=国指定重要文化財・観世宗家蔵
 東京・国立能楽堂で4月に上演された復曲能「泰山木(たいさんもく)」ダイジェスト映像が6月から無料配信されている。19年ぶりの再演で、登場人物が桜が散るのを惜しむ物語。観世流と金剛流の宗家が共演し、それぞれの秘蔵の面(おもて)を相手方がかけるという能楽史上でも例がない公演となった。
 「日本人と自然 春夏秋冬」をテーマに上演された舞台。観世流の観世清和宗家が桜の枝を折ってしまった天女役、金剛流の金剛永謹(ひさのり)宗家が寿命を司る神・泰山府君役で共演。両宗家は趣向を凝らし、清和は金剛宗家所蔵で豊臣秀吉ゆかりの「雪の小面(こおもて)」、永謹は観世宗家所蔵で世阿弥ゆかりの「小癋見(こべしみ)」(国指定重要文化財)をかけて演じた。泰山府君の装束は、江戸幕府2代将軍の徳川秀忠からの拝領品として観世宗家に伝わる「狩衣(かりぎぬ)」が用いられた。
 同能楽堂の諸貫洋次企画制作課長(48)は「能楽史上、記念すべき公演となった。貴重な所蔵品は美術品としてだけでなく、能の舞台で着用して初めて生きる。コロナ禍で生で鑑賞できなかったファンはもちろん、多くの人に見ていただきたい」と話す。
 舞台映像は約18分で、詞章や解説の字幕付き。1年間無料で公開する。英語版もある。「国立オンライン劇場」で検索。 (ライター・神野栄子)

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