<TOKYO2020→21>70人、聖火つなぐ 県内でリレー始まる 金メダリストやレジェンド
2021年7月2日 07時45分
千葉県内で一日、始まった東京五輪の聖火リレー。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、公道のリレーは中止されたが、初日は山武市内の特設会場で、一九七六年のモントリオール大会女子バレーボールメンバーとして金メダルを獲得した田村悦智子さん(69)=館山市=ら県内ゆかりの元五輪選手など約七十人のランナーが、それぞれの思いを胸に聖火をつないだ。(山口登史、中谷秀樹)
点火セレモニーが行われた山武市の蓮沼海浜公園で、ランナーは壇上で走る格好やガッツポーズなどをしながら、トーチからトーチへ火をつなげるトーチキスを行った。
交通事故や脳梗塞などで体が不自由になった人などのリハビリの一環として、絵画教室を約二十五年前から開催している吉崎陽子さん(82)=市原市=は、教室の生徒たちから「走ることができない自分たちの代わりに走ってほしい」と後押しされて参加。「走ることはできなかったけど、幸せにすることはできたと思う」と笑顔を見せた。
二〇一九年秋の台風15号で大きな被害を受けた南房総市の福原巧太さん(35)は、新型コロナウイルスが依然として猛威を振るう現状に心を寄せ、「終息した折には全国の皆さんに元気になってきている地元を見てもらいたい」。
一九六〇年代にサーフィン文化を日本に持ち込み、サーフィン界の「レジェンド」とも称される阿出川輝雄さん(78)=いすみ市=は「世界で初めてサーフィンが行われる五輪。ぜひ成功させてほしい」と語った。
いすみ市出身でロサンゼルス五輪女子マラソン代表の増田明美さん(57)や、県にゆかりがあるアトランタ五輪陸上女子一万メートル代表の千葉真子さん(44)も参加。増田さんは「選手にとってコロナ禍で心のスタミナが試される時期でもあったけど、大会を楽しんで最高のパフォーマンスを見せてほしい」とエールを送った。
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