県内平均路線価 8年ぶりに下落 21年 飲食店街、コロナの影響大

2021年7月2日 07時55分
 関東信越国税局は一日、土地の相続税や贈与税の算定基準となる二〇二一年分(一月一日時点)の路線価を発表した。埼玉県内一万五千九百十一地点の平均変動率はマイナス0・6%となり、八年ぶりに下落。新型コロナウイルスにより景気の先行きが不透明な中、不動産取引が停滞したためとみられる。(飯田樹与)
 県内の最高価格は、さいたま市大宮区の「大宮駅西口駅前ロータリー」で、一平方メートル当たり四百二十六万円。三十年連続で同局が管轄する六県(埼玉、茨城、栃木、群馬、新潟、長野)の最高地点となったが、昨年からの変動率は横ばいだった。
 県内十五税務署ごとの最高路線価は、上昇が昨年の八地点から一転、九年ぶりにゼロとなった。横ばいは七地点。下落は昨年のゼロから、浦和や川越、越谷など県南部も含む八地点に増えた。
 税務署ごとの最高路線価の所在地は、本庄が昨年の「本庄駅南口駅前広場」(本庄市駅南一)から「本庄早稲田駅北口広場」(同市早稲田の杜一)に変わり、他は昨年と同じだった。
 県の地価調査などを担当する不動産鑑定士の三田和巳さんによると、飲食店が多いエリアでコロナの影響が大きく出た。営業時間の短縮などで経営が厳しくなった飲食店の撤退や休業が相次ぎ、賃料が下落したという。三田さんは「しばらくは影響が続くだろう」と見通しを述べた。
 路線価は土地一平方メートル当たりの標準価格で、一年間固定され、税額算定の基準となる。取引価格(時価)の80%程度に設定されるため、通常は時価を下回るが、一年の途中で時価が大幅に下落し逆転すると、実態より高い税金を納めることになる。昨年は新型コロナの影響で大阪府中央区で逆転し、初めて路線価の補正が行われた。今後も同様の事態が発生した場合は補正を検討するという。

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