東京都では少なくとも9市区がキャンセル…様子見の自治体も多数 五輪・パラの学校観戦

2021年7月4日 06時00分

◆神奈川、千葉、埼玉3県では6割

 東京五輪・パラリンピックで児童・生徒に割り当てられている「学校連携観戦チケット」のキャンセルが相次いでいる。神奈川、埼玉、千葉の3県では計28万6000枚の申し込みがあったが、現時点で6割にあたる計17万5000枚のキャンセルが決まっている。東京都はキャンセル状況を明らかにしていないが、本紙の取材では少なくとも9区市が観戦を中止。多くの自治体が「検討中」とし、様子見の状態だ。
 学校連携観戦チケットは競技会場のある自治体の子どもたちに割り当てられる。大会組織委員会によると、五輪で60万枚、パラリンピックで68万枚の申し込みがあり、うち1都3県が75%を占める。組織委は五輪分計1万枚のキャンセルがあったことを6月11日に公表しているが、その後のキャンセル数は公表していない。
 3県でキャンセル率が一番高いのは埼玉県で、1日現在で8割弱に及ぶ。県によると、市町村立小中学校などが観戦を予定していた38市町村のうち、さいたま市など28市町村が中止した。約5600枚をキャンセルした同県川越市の担当者は「公共交通機関を利用する移動では密集・密接が避けられず、マスク着用の観戦は熱中症のリスクもある」と話す。
 千葉県は当初、全54市町村が観戦予定だったが、半分の27市町村がキャンセル。陸上やテコンドーの観戦を予定していた同県八千代市の担当者は中止の理由を「3密回避のためのバス確保の予算繰り」などとする。県の担当者は「パラリンピック観戦予定の自治体も多く、開催時期まで様子見しているのではないか」と話す。
 神奈川県は25市町村が観戦予定だったが厚木市、逗子市など16市町が取りやめ。チケットキャンセル率は6割だ。
 公立小中高校の児童生徒や幼稚園児ら計約81万人が観戦予定だった東京都では、本紙の取材で少なくとも板橋区、足立区、文京区、目黒区や立川、武蔵野、三鷹、小平、国立の各市が観戦を見送る。小平市には保護者から「安心した」という声が寄せられているという。
 一方で新宿、渋谷など16区や八王子市、小金井市などは検討中。多くが都から何らかの方針が示されるのを待っている。区内に10会場があり、3万3000人の子どもたちが観戦予定の江東区の担当者は「都の通知を踏まえて決めたい」という。小金井市では市議会が子どもの観戦中止を国や都に求める意見書を可決している。

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