コロナ感染拡大で菅政権に不満 自公過半数届かず 秋の解散戦略に影響も 野党は共闘課題

2021年7月5日 06時00分
 東京都議選で自民、公明が過半数に届かず、最大の争点だった新型コロナウイルス対策を巡る菅政権の取り組みに対する民意の不満が明確になった。与野党は今後、秋までに行われる衆院選へと攻防の場を移す。菅義偉首相は、コロナワクチンの接種を進め、東京五輪・パラリンピック直後に解散に踏み切る戦略とみられるが、都議選の結果はその構想に影響を与える可能性もある。一方、野党側は、小選挙区で自民党に対抗するためには野党共闘という課題がある。(関口克己)

◆ワクチン供給追いつかず…

 「何が足りなかったかを精査し、来る衆院選に臨まなければいけない」
 自民党の山口泰明選対委員長は4日夜、都議選の結果について、党本部で記者団に語った。
 衆院議員の任期満了は10月21日。その前の9月30日に首相は自民党総裁任期を迎える。総裁再選を確実にするため、首相はパラリンピック閉幕直後の9月上旬にも臨時国会を召集し、解散に踏み切るとの見方が強い。
 だが、政権にとって不安材料は数多い。首相はコロナ対策の「切り札」とするワクチン接種について、目標の1日100万回を記録したとアピールしてきたが、ここに来て供給が追いつかない問題に直面。職場接種の申請受け付けを休止した。これらの政権の対応に、都民は一票で反発を示した。
 新規感染者数も拡大傾向。まん延防止等重点措置は、東京などでは期限の11日以降も延長が避けられない情勢だ。五輪を機に感染拡大が深刻になれば、五輪開催を進めた首相への批判が一気に高まることは避けられない。パラリンピック直後に解散したくてもできなくなる可能性もある。
 自民では「政治とカネ」を巡る問題も続発。6月の静岡県知事選など各地の地方選では敗北も目立ち、今回の都議選でも歴史的大敗を喫した前回から大幅な上乗せはできなかった。

◆立民と共産、60選挙区で競合

 「(衆院選は)政権を選択する選挙だと国民に認識していただきたい」
 立憲民主党の福山哲郎幹事長は4日夜のNHK番組で、衆院選で政権交代する決意を語った。当選者が1人の小選挙区制が柱の衆院選で課題となる野党候補一本化を急ぐ考えも示した。
 立民は共産、国民民主、社民との間で、接戦区を中心に統一候補擁立を進める。4月の衆参3補選・再選挙では共闘して勝利しており、その再現を目指す。
 だが、立民と共産は現在、約60の選挙区で競合。共産は野党連合政権構想を掲げるが、共産とは国民が原発政策などの違いから距離を置き、連合とも対立。立民の枝野幸男代表は「共産党との連立政権は考えていない」と話すなど一枚岩ではない。
 調整の本格化は選挙直前とみられるが、野党候補が乱立したままなら、自民党を利する公算が大きい。
 
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