公道で聖火リレー「密」防げず…茨城県内で開始、初日90人駆ける 感染拡大を不安の声も

2021年7月5日 07時14分

聖火ランナーを一目見ようと押し寄せた観客=日立市で

 東京五輪の聖火リレーが四日、県内で始まり、計八市町の八十六区間を九十人のランナーが駆け抜けた。リレーは公道で実施。県は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、観客に密集を避けるよう呼び掛けたが、一部区間では沿道に大勢の人が詰め掛けて「過密」になり、感染が広がらないか不安の声も漏れた。鹿嶋市では沿道の観客が倒れ、リレーが中断するトラブルもあった。(松村真一郎、保坂千裕)
 県内での聖火リレーは千葉県から引き継がれ、四十七都道府県のうち最終盤の四十五番目。百七十九人のランナーが五日までの二日間で、十六市町の計百七十五区間を走る予定。その後、埼玉県に引き継ぐ。
 県は公道での実施に当たり、感染防止対策として、観客に対して、沿道での密集や大声での応援を避けることやマスクの着用を呼び掛けた。また、交差点など密集が懸念される場所にスタッフを重点配置し、手持ち看板で密集を回避するよう求めた。
 聖火はこの日午前八時半ごろ、鹿嶋市の鹿島神宮を出発。第一走者はタレントの研ナオコさん(67)だった。五輪のサッカー競技会場であるカシマスタジアムの前では、サッカーJ1・鹿島アントラーズのテクニカルディレクターで元日本代表監督のジーコさん(68)らが、沿道のファンに手を振りながら走った。
 スタジアム前では時折、強い雨が降る中でも、多くの人が集まり、沿道は「密」になった。市内の無職高地丞二さん(77)は周囲を見渡して「県が呼び掛けても、結局は密集しているね」と、妻の照子さん(76)とともに苦笑いしていた。
 また、ジーコさんらが走りだす直前に、「沿道で観客の四十代男性が突然倒れた」と一一九番があり、救急車が出動し搬送。そのため、リレーが七分間にわたり中断した。
 鹿島地方事務組合消防本部によると、男性は搬送時、会話が難しい状態だったが意識はあり、命に別条はないとみられる。密集が原因かは不明という。
 聖火リレーは、ひたちなか市や大洗町を経て、大子町にある日本三名瀑(めいばく)の一つ「袋田の滝」周辺へ。沿道の多くの観客が、目の前をランナーが通った後、トーチ同士を合わせて火を移す「トーチキス」ポイントまでランナーと並走する様子も見られた。
 日立市では、終着点である日立シビックセンター前の広場に大勢の人が押し寄せ、二重、三重の人だかりができた。センター内の図書館を目的に訪れた市内の無職寺沢修さん(60)は「ほかの場所でも同じように集まれば、今後の感染拡大が不安だ」とリレーには目もくれなかった。
 初日は、水戸市でゴールを迎えた。最終日の五日は古河市をスタートし、県西、県南、鹿行地域の計八市を走行し、つくば市がゴールになる。

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