融通の利かない「シフト制」 コロナ禍で副業探しに苦労

2021年7月6日 06時00分
労働組合がシフトの発表時期を早めるように求め、オリエンタルランドに提出した春闘の要求書

労働組合がシフトの発表時期を早めるように求め、オリエンタルランドに提出した春闘の要求書

 居酒屋やコンビニの店員など勤務日時(シフト)が一定期間ごとに変動する「シフト制労働者」が、副業探しで苦戦している。コロナ禍で休業が続出するなどしてシフトの調整が複雑化、労働者に伝えられる時期が遅れ、新たな仕事のスケジュールと合わせにくいためだ。休業補償が出ず生活困難に陥るシフト制の「穴」は社会問題化したが、生活維持のための副業さえ難しいという課題も浮かび上がっている。(山田晃史)
 「シフトの融通が利くアルバイトはあまりなく、探すのが大変」
 東京ディズニーリゾートのショーに出演する契約社員の女性は、仕事が激減した今、副業探しの難しさを痛感している。本業のシフトは1週間分ずつ小刻みに決まり、分かるのは早くて2週間前。女性が副業探しで相手方に、本業のシフト決定のスケジュールを伝えると「もっと早く決めてもらえないと、こちらのシフトが組めない」と断られることが多い。
 今の仕事は週5日の勤務日がコロナ禍で週2~3日に減った。会社からの休業補償では収入減を補えず、シフトが出た後でも探せる1日限りの派遣の仕事で食いつなぐ。「働ける日に仕事があるとは限らず不安定」と語った。
 従業員の一部が加入する労働組合なのはなユニオンは今春闘で、兼業しやすい環境整備のためシフトの運用改善を要求。運営会社のオリエンタルランド(千葉県浦安市)は取材に「働きやすい環境の整備を進めており、従業員の要望を踏まえて今後も改善していく」(広報)と答えた。
 シフト制労働者が多い飲食業界は、休業や時短が続出してシフト調整が複雑化したことなどから決定が遅れることが多く、労組にはシフト伝達を早める要望が相次ぐ。団体交渉している飲食店ユニオンの尾林哲矢氏は「団交ならば会社の運用を変えられる」と話す。
 厚生労働省によると、在職しながら別のアルバイトなどを探す動きは全国でみられ、担当者は「シフト減や休業長期化で収入が減り、その補填のため」と説明。全国労働組合総連合の仲野智非正規センター事務局長も「バイト先の争奪戦が起きている」と話す。特に高齢者は副業も見つからない事態が起きている。
 シフト制労働に詳しい川口智也弁護士は「非正規のシフト制労働者はもともとの時給も安く、副業に追い込まれる構図。副業せずに済む補償の充実が必要」と指摘する。

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