多摩動物公園5年ぶり ライオンバス 再出発

2021年7月6日 07時02分

多摩動物公園で5年ぶりに再開したライオンバス=いずれも日野市で

 バスの中からライオンを間近に観察できる多摩動物公園(日野市)の名物「ライオンバス」が約五年ぶりに復活した。世界初のサファリ形式の施設としてオープンし、五十年以上も人気を集めるライオンバスは、再開を心待ちにしていた人も多いはず。その魅力とは。

リニューアルされた発着場「ライオンバスステーション」(後方)

 六月三十日、運行再開に向けて報道陣に公開されたライオンバスに乗車した。新しくなった発着場「ライオンバスステーション」のゲートが開いてバスが動きだすと、車内にアフリカの民俗音楽とアナウンスが流れ、気分を盛り上げる。緑に囲まれたコースの前方にライオンが横たわり、バスが近づくとゆっくりと体を起こして歩きだした。

◆がぶりっ 迫力満点

 バスは厚さ一・六センチの強化ガラスで覆われ、見晴らしは抜群。「やぐら」と呼ばれるコース脇の台に横付けされるとライオンが目の前に。台の上で牛骨にかじりつく姿は迫力満点だ。別のライオンが現れると、車体の外側のフックに掛けられた馬肉に顔を寄せ、がぶりと食い付いた。
 ライオンバスは開園から六年後の一九六四年五月にオープン。発着場の建て替えとライオンが過ごす「放飼場」の改修のため二〇一六年四月から休止していた。飼育している十二頭(雄三頭、雌九頭)は再開に向け、新しい施設に慣れる訓練を重ねてきた。担当の職員は「準備はばっちり」と自信をのぞかせた。

ライオンバスの前でたたずむライオン

 運行が再開された今月三日。午前九時半の開門と同時に家族連れやグループが次々と発着場を目指した。家族三人で午前十時の第一便に乗車した日野市の会社員東香那子さん(43)は「十年ぶりに乗ったけれど、以前よりも迫力がある」と感激。家族ら四人で訪れた板橋区の会社員小川直子さん(47)も「ずっと再開を待っていた。ライオンの顔が目の前に迫ってくるのはすごい。子どもも大人も楽しめる」と話した。
 六年ぶりに楽しんだ府中市の主婦三浦恵子さん(48)は「柵の向こうから見るのとはやっぱり違う」。友人の会社員堀内美和子さん(47)=相模原市=も「何度でも乗りに来たい」と声を弾ませた。

◆予約制 内装も一新

 「以前は先着順の乗車だったから、来園者は開門と同時に発着場までダッシュしていたんですよ」と渡部浩文園長。休止までの五十二年間で延べ約二千八十万人が利用した人気施設でゴールデンウイークには二時間待ちの行列ができることもあったという。
 再開後は混雑解消のため日時指定の事前予約制を導入した。現在は新型コロナウイルスの感染防止策で、一日の乗客を最大千八十人に限定。入園も日時指定の事前予約制となっている。渡部園長は「感染防止策を徹底しており、安心して来園してほしい」と話す。

雌ライオンが服部記者に近寄って、舌をペロリ

 バスは休止前と同じものを使っているが、内装を一新し、三台を約十分間隔で運行している。発着場は以前はケニアのモスク風だったが、近代的なホテルのイメージに変更された。ライオンの生態を学べる展示スペースや放飼場を一望できる観覧スペースも見どころで、乗客以外も楽しめる。
 ライオンバスは入園料とは別に乗車料金が必要で、予約は公式ホームページか専用電話(0570)037566で。問い合わせは多摩動物公園=電042(591)1611=へ。
 文・服部展和/写真・坂本亜由理、佐藤哲紀
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