聖火リレー 県内2日間 目立つスポンサー車両 主役は誰? 走者と温度差「盛り上げ強要」

2021年7月6日 07時28分

鬼怒川沿いの堤防を進むスポンサーの大型車両=常総市で

 東京五輪の聖火リレーは五日、県西、県南、鹿行地域の八市八十九区間で八十八人が走った。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、四日から公道で実施された県内のリレーは全日程を終了。この二日間、走者を先導するスポンサー車両が音楽を大音量で流す場面が目立ち、「商業五輪」の一端を印象付けた。沿道の観客からは「盛り上げを強要されているようだ」などと不満の声が漏れた。(松村真一郎)
 二日目の五日は、古河市を午前九時十五分ごろにスタート。常総市や行方市などを巡り、つくば市でゴールを迎えた。聖火は四十六番目の埼玉県に引き継がれる。埼玉県とゴールの東京都では、公道のリレーは一部のみとしており、全区間公道で実施するのは茨城が最後になる。
 リレー中は、スポンサーの日本コカ・コーラなどの大型車両四台がランナーの前を走行。隣の人の声が聞き取れないほどのアップテンポな音楽を鳴らしながら、車上のDJが「楽しんでいきましょう」とはやし立てると、スタッフが沿道の観客にグッズを配ったり、音楽に合わせてダンスを踊ったりした。
 一日目の四日、日立市・JR日立駅前の平和通りでは、大音量のスポンサー車両の通過から約五分後、ランナーがやってきた。新型コロナの感染拡大防止のため、県が大声ではなく拍手での応援を呼び掛けたことから、手をたたく音だけが響く中、ランナーは次の走者に聖火をつないだ。
 主役のランナーよりも、スポンサー車両が際立つ状況は沿道にどう映ったのか。日立市内の主婦(72)は「盛り上げるのも大事だけど、スポンサーの車列とランナーの雰囲気に温度差を感じた」と眉をひそめた。
 二日目の常総市でも、スポンサーの車列が鬼怒川沿いの堤防を走行。のどかな河川敷の風景に似つかわしくない赤や青色の大型車両が、狭い堤防上の道路をわが物顔で進んだ。
 「無理に盛り上げているようだ」。沿道で聖火リレーを見守った石岡市の男性アルバイト従業員(71)は首をかしげる。「聖火リレーと同じで、五輪も自然に盛り上がるというよりも、盛り上げさせられるんじゃないか」とため息をついた。

関連キーワード

PR情報

五輪聖火リレーの新着

記事一覧