多様な検査、丁寧な指導… 人間ドック 病気の早期発見に一役

2021年7月6日 07時39分

人間ドックで胃カメラ検査を受ける河野紀子記者(中)=浜松市で

 さまざまな検査で全身の状態を詳しく調べる「人間ドック」。法律で年1回の実施が義務付けられた会社の健康診断などと違い、個人が任意で受ける検査だ。基本的なコースで数万円の費用がかかるが、最近は検査内容が多様化し、多くの病気の早期発見に役立つようになってきた。12日は「人間ドックの日」。改めて健康を見直してみては。 (河野紀子)
 公益社団法人「日本人間ドック学会」(東京)によると、人間ドックは一九五四(昭和二十九)年七月、国立東京第一病院(現国立国際医療研究センター)で六日間の入院検査として始まり、全国に広がった。ドックはもともと船を点検・修理する施設のこと。人間も同じように定期的に体を検査しようという意味で名付けられた。
 現在は一日か一泊二日のコースが主流だ。学会が定める基本的な検査内容はどちらも同じ。身体測定をはじめ血圧や心電図、視力、眼底、胸部と上部消化管のエックス線、血液や便潜血検査など約二十項目にわたる。オプションとして胃カメラや婦人科診察などを加えることも可能。最近はスタッフも全員女性の女性向けドックや、疾患ごとに特化した心臓ドックや脳ドックなども登場している。
 検査費用は保険適用外の自由診療のため、施設ごとに異なる。一日コースの場合、オプションなしで三万〜五万円程度が多い一方で、十万円を超える施設も。ただ、加入している健康保険組合や国民健康保険から補助や助成金を受けられることもある。
 学会理事長で相沢病院(長野県松本市)理事長の相沢孝夫さん(74)は、一般の健診や特定健診(メタボ健診)に対し、気になる病気や症状に関してオーダーメードで検査項目を組める特徴を挙げる。検査結果を踏まえて、医師や保健師が生活習慣の改善などを促す保健指導が充実していることも利点。学会は、保健指導の体制整備などの条件を満たした指定施設をホームページで紹介している。
 人間ドックで病気が見つかるケースは多い。例えば、早期はほとんど自覚症状がない前立腺がん。学会の指定施設二百六十五カ所では二〇一八年度、腫瘍マーカー検査を受けた五十二万四千五百人のうち、精密検査も経て七百四人にがんが見つかった。相沢さんは「症状が出てからでは遅い。早期に見つけて治療することで患者の負担は少なくなる」と話す。

◆記者が初めて受診 胃カメラ苦戦/4時間で終了

 記者(37)は五月、浜松市北区の聖隷予防検診センターで初めて人間ドックを受けた。一日コースで午前七時半にスタート。職場の健診と違って検査項目が多いが、各検査を優先して受けられる「スピードコース」を申し込んだためスムーズに案内してもらえ、四時間ほどで全て受け終えた。
 ただ、胃カメラ検査はつらかった。麻酔をした後、鼻からチューブを入れるとき、鼻の奥やのどが圧迫される感覚が想像以上に強く、「やめます」と何度も言いかけた。十分ほどだったが、疲れて長く感じた。
 検査後、医師が胃の中の画像を示しながら丁寧に説明してくれた。異常はなく、胃炎などの原因となるピロリ菌に感染していないことも分かってひと安心。でも後日、甲状腺の精密検査を受けることに。健診ではこれまで異常なしだったので驚いたが、医師から「数値が基準を少し超えたので念のため」と聞いて納得した。保健指導では、飲酒量を減らして日常的に運動するよう助言も受け、気を引き締め直した。

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