「その程度の能力か」「頼りねえ顔」 記者の質問を遮りはぐらかす、麻生氏の不誠実さ<取材ファイル>

2021年7月7日 06時00分
 「東京新聞。ああそう。その程度の能力か」―。学校法人「森友学園」に関する決裁文書を財務省が改ざんした経緯をまとめた「赤木ファイル」開示後、本紙は閣議後会見で麻生太郎財務相に2度質問した。しかし、麻生氏は正面から答えようとせず不誠実な対応をいまだ続けている。(原田晋也)
 そもそも、財務省はファイルを進んで提出すべきなのに、一貫して情報開示に消極的だった。改ざんに関与させられ、自殺に追い込まれた近畿財務局の職員赤木俊夫さんの妻、雅子さんが国を訴えた裁判でも、国側は当初、「回答の必要がない」などと主張。ファイルの存在すら1年あまり曖昧にしていた。

記者の質問に答える麻生財務相=東京都千代田区の財務省で

 それが一転、財務省は6月22日、赤木ファイルを雅子さん側に開示した。財務省本省は赤木さんらへのメールで、当時の佐川宣寿理財局長の「直接指示」を明記するなど改ざんを執拗に迫っていた。赤木さんが本省に直接抗議をしても、不正が続けられるなど無念さもうかがえる。
 だが、ファイル開示後も財務省の不誠実な対応は変わらなかった。麻生氏は質問をはぐらかすばかりだ。
 例えば、記者は7月2日の会見である疑問を投げかけた。赤木さんが書いたとみられる「現場として厚遇した事実もないし」という一文についての麻生氏の見解だ。この一文に関し、安倍晋三前首相のツイッターの公式アカウントが「赤木氏は明確に記している」などと投稿。国が森友学園を優遇した疑惑を赤木さんが否定し、疑いが晴れたと言わんばかりだったからだ。
 これに対して、麻生氏の答えは「あまり細かく知らない」とにべもなかった。森友学園に国有地を売却した当時、赤木さんは担当ではなかった。同僚の話を信じていただけの可能性はなかったか。そのことをただすつもりだったが、麻生氏には通じなかった。
 再質問を試みたところ、今度は「全然頼りねえ顔してるけど、質問するならきちっと知ってないと具合悪いよ?」とからかうようにこちらを遮る。そして、飛び出したのが、冒頭の「能力」発言だった。
 職員1人を自殺に追い込んだ公文書改ざんという重大な不正を起こし、今なお遺族に誠実に向き合わない官庁の責任者が取る態度なのだろうか。麻生氏の会見に出るたびにこうした思いに駆られる。まともに答えないのなら、何度も質問するしかない。

関連キーワード

PR情報

政治の新着

記事一覧