NYに琴の調べ「1年分の思い込めて演奏」琴指導者の石榑さん 故郷・岐阜でも演奏会

2021年7月7日 11時48分
 【ニューヨーク=杉藤貴浩】新型コロナウイルス禍からの復興が進む米ニューヨークで、現地での琴の第一人者石榑雅代さん(55)=岐阜市出身=が屋外演奏会を開いた。長く続いた生演奏の自粛が明けた音楽祭の一環で、和楽器の魅力をアピール。「コロナの被害を受けた仲間や街へ、1年分の思いを込めて演奏した」と話した。

6月、米ニューヨーク市中心部の公園で教え子らとともに琴を演奏する石榑雅代さん(前列右から3人目)=杉藤貴浩撮影

◆2年ぶりに演奏会が大規模復活

 音楽祭は6月下旬、ニューヨーク市内の各地を舞台に行われた。毎年初夏の恒例の催しだったが、昨年はコロナの影響で生演奏が中止。今年はワクチンの普及が進む中、2年ぶりに大規模に復活した。
 石榑さんは市中心部の公園で教え子ら25人と参加。多様な音楽家が集まるニューヨークでも和楽器の生演奏は珍しく、市民ら100人以上が足を止めて和の音色に聞き入った。「この街らしく、音楽が融合する魅力も感じてもらいたかった」と石榑さん。後半にはチェロやフルートなどの洋楽器とも音色をあわせ、街に活気を与えた。

◆92年に渡米 米国で日本の伝統音楽を

演奏後にあいさつする石榑雅代さん=杉藤貴浩撮影

 石榑さんは5歳で琴を始め、1992年に渡米。ニューヨーク市の名門コロンビア大などで琴を指導し、和楽器の魅力を伝えてきた。2005年公開のスティーブン・スピルバーグ氏製作の映画「SAYURI」で、サウンドトラック演奏を担当したこともある。
 コロナ禍では生演奏会の予定はすべて中止され、命を落とした音楽仲間や今も後遺症に苦しむ教え子もいるという。今回の演奏会への参加を在ニューヨーク日本総領事館から持ち掛けられのは今春。まだコロナは猛威をふるっていたが「こんな時こそ、米国で日本の伝統音楽を絶やさないよう前に進みたい」と引き受けた。
 オンラインでの演奏や指導が続いた1年だが「ネットだからこそ、遠くの教え子が増えるメリットもあった」と今後への手応えも感じている。今月中旬には一時帰国した故郷の岐阜県で演奏会を開く予定だ。

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