スエズ座礁の大型船、100日ぶりに運河離れる 賠償金額など合意の最終文書に署名

2021年7月7日 23時00分
エジプト北部イスマイリア付近で5月末、スエズ運河に係留中の大型船「エバーギブン」=蜘手美鶴撮影

エジプト北部イスマイリア付近で5月末、スエズ運河に係留中の大型船「エバーギブン」=蜘手美鶴撮影

 【イスマイリア(エジプト北部)=蜘手美鶴】エジプト北部のスエズ運河で3月にパナマ船籍の大型コンテナ船「エバーギブン」が座礁した事故で、スエズ運河庁と船を所有する「正栄汽船」(愛媛県今治市)側は7日、賠償金額などについて合意した最終文書に署名した。運河に留め置かれていた大型船は裁判所の決定で係留を解かれ、同日、100日ぶりに運河を離れた。
 署名式はイスマイリアで行われ、運河庁のラビア長官と船主側の代表者が出席した。ラビア氏は「全世界に向かい宣言する。われわれは合意に達し、問題は解決された」と述べた。賠償額や合意の詳細は不明だが、運河庁は合意の一部として船主側からタグボート1隻を受け取ることも明らかにしている。
 スエズ運河は世界の船舶の約15%が通過する国際海上交通の要衝。エバーギブンは世界最大級の船の1つで、中国からオランダ・ロッテルダムに向かう途中の3月23日に座礁し、運河を6日間ふさいだことで400隻以上が足止めされ、物流に大きな影響が出た。
 運河庁は当初、船主側に9億1600万ドル(約1000億円)の賠償を求めたが、その後5億5000万ドル(約600億円)に減額し、交渉が続いていた。賠償金を巡っては訴訟にも発展し、運河庁側は「船長の操船ミス」を理由に船主側の責任を問い、船主側は「悪天候で航行を許可した同庁側の判断ミス」と主張していた。

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