オリ・パラ期間中に「能楽祭」 「文化の華 内外に示す」

2021年7月9日 07時33分

東京五輪・パラリンピック大会に向け、特別公演の開催を発表した(左から)野村萬斎、武田孝史、観世銕之丞、武田宗和、金井雄資=東京都港区の銕仙会能楽研修所で

 能楽(能、狂言)界の第一線で活躍中の能楽師が顔をそろえる「東京2020オリンピック・パラリンピック能楽祭〜喜びを明日へ〜」(能楽協会、日本能楽会主催)が東京五輪、パラリンピック期間中に、東京・国立能楽堂で開催される。コロナ禍においても、心豊かであるために文化芸術は必要との思いを込め、能楽を発信する。 (山岸利行)
 五輪期間中の「能楽祭」は一九六四年の東京大会時にも開催。昨年も予定されたが新型コロナウイルスの感染拡大で大会が延期となったため、「コロナ終息祈願」の公演として七、八月に開催された。
 今回は五輪期間中の五日間、パラリンピック期間中の二日間の計七日間にわたって、世阿弥の名作や詩情に満ちた演目、見た目が華やかな演目などが上演される。とりわけ、幕開けとなる七月二十七日の能「翁(おきな) 十二月往来(じゅうにつきおうらい) 父尉延命冠者(ちちのじょうえんめいかじゃ)」は、正月から十二月までの風物を表現する特殊演出で上演。能の中でもっとも神聖視され、祝いの時に舞う「翁」が五輪に華を添える。
 能楽協会の観世銕之丞(かんぜてつのじょう)理事長は「昨年、終息祈願で開催した際、クラスターなしでできた」と感染対策上の実績を語り、今回については「文化的な華を内外に示したい」と意欲を見せた。
 金井雄資(ゆうすけ)理事は「能が心を守るワクチンでありたい」、日本能楽会の野村萬斎(まんさい)理事は「多様なものを映すのが能、狂言の精神。日本にこういう芸術があることを知ってもらいたい」などと、それぞれ話した。

能「翁 十二月往来 父尉延命冠者」(辻井清一郎撮影)

 主な演目と演者は次の通り。
 【五輪期間(午後一時開演)】▽七月二十七日 能「翁 十二月往来 父尉延命冠者」翁・父尉=金春憲和、翁=高橋忍、金春飛翔(ひかる)▽同二十八日 能「屋島 大事 奈須與市語(なすのよいちかたり)」シテ観世清和▽同二十九日 狂言「業平餅(なりひらもち)」シテ大藏彌太郎▽八月二日 能「三輪 神遊」シテ友枝昭世▽同三日 狂言「舟渡聟(ふなわたしむこ)」シテ野村万作、能「道成寺」シテ金剛龍謹(たつのり)
 【パラリンピック期間(午後二時開演)】▽八月二十七日 能「土蜘蛛 ササガニ」シテ加藤真悟▽九月三日 手話狂言「梟山伏(ふくろやまぶし)」日本ろう者劇団 能「羽衣 盤渉(ばんしき)」シテ柏山聡子
 パラリンピック期間中の公演では、解説時の手話通訳や点字パンフレットの用意、補助犬同伴での鑑賞対応など、バリアフリーへの取り組みを行う。
 チケットは、カンフェティ=(電)0120・240・540。

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