熱海土石流 ボランティア対応悩む社協 大分から尾畠さん、申し出 「落ち着くまで待って」

2021年7月9日 08時00分

熱海市職員(右)にボランティアを申し出て断られた尾畠春夫さん(左)=熱海市役所で

 熱海市伊豆山地区の土石流災害を受け、災害ボランティアセンターを開設した市社会福祉協議会が、新型コロナウイルス感染防止や二次災害が想定されることに頭を悩ませている。感染防止対策のため、ボランティアは募集を県東部在住者に限定。現場に入れないため支援ニーズを把握できず、活動を始める時期も決められないでいる。 
 「苦しんでいる人がたくさんいる。お手伝いできることがあれば」。二〇一八年八月に山口県周防大島(すおうおおしま)町で行方不明の男児=当時(2つ)=を見つけ、「スーパーボランティア」として一躍有名になった大分県日出町の尾畠(おばた)春夫さん(81)が八日午前、熱海市役所を訪れボランティアを申し出た。市災害対策本部前で、市職員が尾畠さんに応対。尾畠さんは県東部在住でないため断られ「仕方ない。もう帰る」と市役所を後にした。
 尾畠さんによると七日夜に熱海市に入った。八日朝に被災現場近くへ行ったが、警察官らが「危ない」と制止。その後、市社協と市役所を訪れボランティアを申し出た。
 尾畠さん以外にも県外から訪れるボランティア関係者らが複数いる。市社協の黒川宣夫次長は「善意の気持ちはありがたい。落ち着いた状況になるまで待ってほしい」と呼び掛ける。
 五日に始めたボランティア登録の受け付けには、既に二千三百人以上が応じている。被災した家屋から土砂や泥をかき出す作業などが主になるとみられる。黒川次長は「十分な人数になってきた。できるだけ早く活動を始めたい」と語る。
 懸念は、コロナ流行地域の人らが来て感染源になったり、ボランティアが二次災害に巻き込まれることだ。PCR検査を毎日実施するなどの余裕はない。黒川次長は「できるのは検温など基本的な対策。被災者に近づいての活動は考える必要がある」と語る。
 土石流の現場周辺の一部では、断水が続き規制線が張られて一般の人は立ち入れない。黒川次長は「人命救助が最優先。先行きが読めない」と悩む。今後、町内会長や民生委員らにどんな支援が必要か聞き取り、困り事を受け付ける専用の電話窓口も設ける予定だ。(佐野周平、昆野夏子)

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