都議選でコロナ療養者の郵便投票は低調 煩雑な手続きや周知不足が要因か 

2021年7月10日 05時50分
 東京都選挙管理委員会は9日、新型コロナウイルスに感染した自宅・宿泊療養者らに認められた郵便投票について、先の都議選の利用実績を公表した。期間中の療養者2088人のうち、投票したのは110人にとどまった。総務省は、秋までに行われる衆院選に向け課題を整理し、利用増のための改善策を検討する。
 コロナ療養者の郵便投票は、6月に成立した特例法で新たに認められ、同月25日告示の都議選で、全国で初めて実施された。都選管のまとめでは、137人から請求があり、保健所からの情報提供で資格がない濃厚接触者などと判明した10人を除く127人に投票用紙を交付した。
 実際に投票した110人の内訳は、自宅療養者22人、宿泊療養者58人、海外から帰国してホテルなどに留め置かれていた人が30人だった。療養者2088人には選挙権のない18歳未満も含まれる。
 都選管の担当者は本紙の取材に、外出を制限されるコロナ療養者の投票権を確保できたとして「意義のある制度だ」と評価した。
 利用が低調だったのは、制度の周知期間の短さに加え、投票も含めて2回、郵送の必要があるという手続きの煩雑さも理由とみられる。投票する意向はありながら、体調の悪化で断念した人もいたという。
 運用上の課題も浮き彫りになった。都選管は政府の方針を踏まえ、投票用紙の投函とうかんなどを同居人や知人に依頼するよう呼び掛けたが、一人暮らしの自宅療養者は対応が難しかったという。全国で行われる衆院選を控え、総務省の担当者は「必要に応じて現場の意見を聞き、選管への情報提供など適切に対応したい」と話した。(川田篤志)

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