絵本で伝える震災の記憶 福島民報などが足立の小学校、図書館に寄贈 復興に立ち上がる子どもたちを描く

2021年7月10日 07時12分

足立区の小学校と図書館に寄贈された絵本「きぼうのとり」の一場面

 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から復興へ立ち上がる子どもたちの姿を描いた絵本「きぼうのとり」が、福島県の新聞社・福島民報などから足立区内の全小学校、全図書館に寄贈された。震災の記憶が風化する一方、豪雨による自然災害が多発する中、区は絵本を授業で活用し、子どもたちの防災意識の育成に役立てたいとしている。(砂上麻子)
 絵本は、震災と原発事故の複合災害の記憶を次世代につなごうと、福島民報が企画、制作。福島県天栄村を拠点に活動するイラストレーターのよしもとみかさんが絵を、編集・ライターの江藤純さんが文を手がけた。
 三人の小学生を主人公に、震災による家族や友人との別れ、避難先での暮らしと成長を描いている。福島民報は、震災から十年となる今年三月十一日までに、福島県内の全小学校に絵本を配布した。
 足立区での絵本の寄贈は、福島の復興支援をしている区民を介して実現。都内の児童にも読んでほしいと、福島民報は小学校六十九校に贈った。さらに、絵本を朗読して広めるボランティア活動をしている「きぼうのとり絵本サポートプロジェクト」も、区内全ての十五の図書館に絵本を寄贈した。
 八日に区役所で行われた贈呈式では、芳見弘一社長とプロジェクトの大蔵由美代表から近藤弥生区長に目録が渡され、近藤区長からはそれぞれに感謝状が贈られた。
 近藤区長は「災害の経験を伝えるのは難しくなっている。(絵本は)子どもたちの防災意識の向上に役立つプレゼント」と感謝を伝えた。
 芳見社長は「震災や原発事故の記憶は福島でも風化が進んでいる。絵本を読んで、震災を自分のことと考え、生きる力にしてほしい」と呼びかけた。

福島民報の芳見社長(左)と「きぼうのとり絵本サポートプロジェクト」の大蔵代表(右)から絵本を受け取った近藤区長=足立区で


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