保育虐待をどう防ぐ 岩手の高校生と都内保育士がオンラインで意見交換

2021年7月10日 07時17分

意見交換する高校生と保育士=一部画像処理

 なぜ保育士が子どもを虐待してしまうのか−。そんな問題意識を持った岩手県立大槌(おおつち)高校三年の生徒四人が八日、ビデオ会議システム「Zoom」で都内の保育士と、保育のあり方をまとめた国の指針を読みながら意見交換した。同校の岡谷美海(みみ)さんは「大人の感情をぶつけるのではなく、子どもの年齢やその子の視点に合わせた関わりが大事だと思った」と、貴重な機会を振り返った。(奥野斐)
 岡谷さんは、保育士を目指し情報収集する中で、本紙の子育てサイト「東京すくすく」に掲載された保育虐待の記事を読んだ。そこに登場する、虐待を防ぐ心構えを説くNPO法人「こども発達実践協議会」(千代田区)代表理事の河合清美さんに連絡し、意見交換が実現した。河合さんは、都内の私立認可保育園長を務めている。
 意見交換の場は、岡谷さんら生徒四人が企画し、年齢に応じた発達状況や保育士らの関わり方などが書かれた保育所保育指針(抜粋)を事前に読んで臨んだ。
 同校の雁部英恵さんは、指針の「受容的・応答的な関わり」について質問。河合さんは、二歳の子が給食に出たナスを「イヤ」と拒否したものの、隣の子が食べているのを見てほしくなって泣くといった事例を紹介。「どんな状況でも、いったん子どもの言動を受け止めて、気持ちに応えることが大切」と説明した。
 河合さんらは以前、指針を手元で確認できるようにポイントを抜粋して印刷したクリアファイルを作った。これを佐竹健美(たけみ)さんは「三歳以上はあまり差がないと思っていたが、年齢ごとに発達やしつけは違うと知った」、菊地宇宙(たかひろ)さんは「重要な場所に色が付いていて分かりやすかった」と話した。
 NPO法人で河合さんと活動する保育士近藤由紀江さんは、虐待を防ぐため「子どもの人格や人権を大切にすることを根底に置くことが大事」と強調。河合さんは「子どもの発達を理解し、どこまで求めていいかを知っておくのも、虐待を防ぎ、適切な関わりをするために必要」と指摘した。

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