<TOKYO2020→21>千葉県内も無観客「判断が遅すぎる」 4競技会場周辺など落胆

2021年7月10日 07時20分

五輪競技会場となっている幕張メッセ周辺。横断幕が設置されているが、人影はまばらだった=千葉市美浜区で

 新型コロナウイルスの感染拡大が収まらず、東京五輪の1都3県の会場が全て無観客とすることが決まった。決定から一夜明けた9日、レスリングやサーフィンなど4競技が開催される千葉県内の会場周辺や県民からは「選手の姿を見てほしかった」「判断が遅すぎる」といった声が聞かれ、関係者は対応に追われた。(五輪取材班)
 無観客が決まった八日深夜、報道陣の取材に応じた熊谷俊人知事は、新型コロナの感染防止対応を踏まえ、「観客を入れることによって県民への要請内容と矛盾が生じることが回避された」と賛意を示した。
 サーフィン競技は五輪史上初の正式種目となるだけに、会場の釣ケ崎海岸がある一宮町では落胆の声が聞かれた。町サーフィン業組合の鵜沢清永組合長(45)は、「初めての五輪を盛り上げたかった。会場は屋外で密にならない広さだと思っていたが、仕方ない」。同町出身の大原洋人選手が出場するだけに、「地元の子どもにとってはヒーロー。活躍する姿を皆に見てもらいたかった」と話す。
 また、会場近くの飲食店の男性店主(46)は「観客が入ると想定し、半年前から通常の倍近い食材の仕入れを業者と相談してきた。英語表記のメニューも作っていたのに」と残念がる。
 宿泊業にも打撃が広まる。県旅館ホテル生活衛生同業組合の武川豊事務局長(58)によると、会場周辺のホテルや旅館の多くは、観客専用の予約枠を確保していたという。「開幕まで二週間しかないのに、今さら穴を埋めるのは無理。無観客の決定をもっと早くしてほしかった」と嘆いた。
 県民の反応もさまざまだ。船橋市の藤田恵美子さん(54)は「コロナ禍を考えると仕方ない。観客が来たら混雑するし、むしろよかった」と話す。白井市の男子大学生(19)は「選手にとっては、活力になる観客の声援がなくなり残念なのでは」とおもんぱかった。
 大会期間中、成田空港や会場周辺で活動する都市ボランティアも宙に浮いた。参加者千四百十一人(今月二日現在)は現地での案内を取りやめる。県担当者は「研修を積んできたボランティアが活動できないのは、やり場のない思いでいっぱい」と打ち明ける。小中高生を招待する学校連携観戦チケットも無観客の対象で、県は参加自治体に中止を連絡した。

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